医師会は医師に年末年始返上を呼びかけるべきだ

2020年12月24日 16:00

nastya_ph/iStock

日本医師会とか病院協会とかが、医療崩壊の危機を訴え、Go Toトラベルなどを批判し、国民にどこも行かずにじっとしていろと上から目線で呼びかけている。しかし、そんな危機的な状況なら、全国のお医者さんは年末年始、休んでいる暇などないはずで、総動員体制で頑張るべきだ。

ところが、病院もクリニックも平常の年と同じように、救急や入院患者がいるところ、コロナ窓口など除いてお休みだ。私のかかりつけ医は、携帯番号も教えてくれているし、旅行にもいかないからいつでも電話してくれと言うからいいが、そんな医者ばかりでもない。

日本医師会の中川俊男会長は、国民には「コロナウイルスに年末年始はない。静かなクリスマス、サイレントナイトでお願いします」などと呼び掛けたが、お医者様自身の年末年始はいつもの通りらしい。

いま起きていることは、日本の医療界が太平洋戦争を別にすると、この一世紀で経験する最大の非常事態なのではないか。それにもかかわらず、年末年始の休みは平常通りというのは、たいした事態ではないと言うことであろう。

もし時間があるなら、いまこそ、コロナ対応体制の抜本的充実を図るために、人工呼吸などの訓練、疲弊しているコロナ現場に少しでもピンチヒッターで入って、休みなしで頑張っている仲間を助ける、病院でコロナ患者受け入れができるように準備するとかやることはいくらでもあるはずだ。

私のFacebookでの投稿へのコメントで、米国在住の方が「サンフランシスコのベイエリアの外科医などは今年3月にコロナが大流行し始めた際に人工呼吸器の使い方講座を1週間かけて強制受講させられていました。緊急以外の外科手術は全てキャンセルされ、何科の医師であろうがコロナ患者の対応が出来る様にすぐに準備していました」とコメントされていたが、これが医師として当たり前のあるべき姿なのではないか。

ソウルの友人は、「ソウルのお医者は、週末〇〇区の保健所で午前午後コロナ中心に診察してくれとの依頼が医師会/団体からくるそうです。ペイは一日2万5千円で悪くないが、感染の危険は他より高い、でもまあ多くの医者は行きます」と報告してくれた。

日本では、コロナ現場のお医者さんに一人一時間1万5千円、八時間なら日当12万円つけるという話も聞くが、テレビでは開業医が「そんな金額ではいけませんよ」とかコメントしていたようだ。これでは世界最低水準の感染者数で医療崩壊するのは当たり前だ。

専門外の医者ではコロナ現場で役に立たないとかいう愚かな医者がいるが、それなら、なんで緊急訓練してできるようにしない。時間は嫌ほどあったし、今もある。年末年始の休みはそれに充てたらいい。あるいは、少なくとも、専門医の下働きくらいはできるだろう。そんなのはプライドが許さないと言うだけだ。

また、医者に「なぜコロナで疲弊している現場に手伝いに行かないか」と聞くと、「私にも数は少なくとも患者がいる」とかいう。しかし、どこの職場でも、よその部局で緊急事態が起きて手伝えと言われたとき、「私の今やってることを少しでも疎かにしたくないから嫌だ」と断ることはあり得ないのだが、日本のお医者さんにはそういう常識がないのだ。

海外では考えられない。世界の常識では、すべての医者はそういう時には専門に拘ったり、今やっている仕事があるとしてもより大きな使命のために命がけで働くべきものだという意識がある。日本でも昔の医者ならそうだった。

そんなこと書いていたら、「代わりに動員された自衛官にも仕事があったはず」というのがあった。まさにその通り。医者たちはなにを勘違いしているのか。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

過去の記事

ページの先頭に戻る↑