民主党は再就職等監視委員会の人事案を審議せよ - 池田信夫

2009年02月14日 10:52

公務員の天下りを監視する再就職等監視委員会の人事案が再度、国会に提示されました。メンバーは同じで、民主党は今回もこれを不同意とするもようですが、この戦術は考え直してはどうでしょうか。渡辺喜美氏の騒動でも明らかになったように、民主党が監視委員会を拒否すると、結局は各官庁が今までどおり斡旋するだけです。麻生首相は1年後には天下りを全廃すると表明したのだから、それまで1年間だけでも監視委員会の審議を通じて、天下り廃止後の公務員のキャリアプランを考えてはどうでしょうか。


「天下り絶対反対」という民主党の方針は、選挙向けにはいいのかもしれないが、官僚のキャリアパス全体を見直さないで天下りだけつぶしても、斡旋が水面下にもぐるだけです。官庁の人事システムも「勇退」を前提にしてできているので、いきなり変えるのは無理だし、若いとき役所に「貯金」してきた彼らを急にホールドアップするのは不公正です。少なくとも経過措置として、彼らの転職を支援するシステムは必要です。官民人材交流センターを民間からの人材登用にも拡大すれば、ノンワーキング・リッチを外部で活用するexecutive marketになる可能性もあります。

2004年に経済産業研究所で大量の研究員がやめたとき、最後のフェロー会議で横山禎徳氏が「日本の官僚は優秀だが無能だ」といったのが印象に残っています。日本の官僚は潜在能力は高いのに、古い組織の中で使い回され、40過ぎると外部労働市場では使い物にならない。このように有為の人材を死蔵していることが霞ヶ関の最大の悲劇であることを、民主党の官僚出身の議員はよく知っているはずです。

私のブログの先週の記事について、民主党の国会議員から「真剣に受け止めたい」というEメールをいただきました。「何でも反対」ではなく、「日本最大のシンクタンク」である霞ヶ関を民間に開放する建設的な提案を、民主党からしてはどうでしょうか。監視委員会は、そのいいきっかけになると思います。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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