邦銀の取っている莫大なリスク - 池田信夫

2010年03月06日 00:38

磯崎さんから再反論がきました。彼もアゴラのアカウントをもっているので、なるべくこっちでよろしく。そういう議論のためにアゴラをつくったので、他の専門家からの投稿も歓迎します。


結論からいうと、銀行がもはや売り逃げられないということは私も同意します。もともと「500兆円」の話が冗談ですから。しかし、これは長期金利が上がったら数十兆円の含み損を抱えるリスクを取っていることになります。つまり日本の国債バブルは――磯崎さんもいうように――政府と日銀と銀行の官製カルテルによって維持されているわけです。

これは90年代に、同じようなしくみで不良債権を隠していたのと似ています。永遠に借り換えることができれば、どんな不良債権も延命できますが、どこかで予期しないアタックが来ると恐い。かつては1997年の三洋証券のデフォルトによって、カルテルは崩れてしまいました。今回も、そういう「ブラックスワン」は近づいているような気がします。

早ければあと数年で、国債の残高は邦銀の消化できる限度を超えます。それより先に、国際的な金利上昇が来るかもしれないし、ヘッジファンドの空売りが来るかもしれない。そのとき残されている最後の手段は、日銀が国債を引き受けて(結果的に)インフレを起こすしかない。この場合のインフレは「財政的現象」なので中央銀行がコントロールできず、発散するというのが歴史的な経験です。リスクのきらいな邦銀が、皮肉なことに史上最大級のリスクを取っていることが、今後の日本の最大のリスクになるのではないでしょうか。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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