生物も脊椎動物に進化すると、すべからく口から肛門までの「管」になります。我々も極言すれば、食べ物を食べて排泄する単なる管に過ぎない。その入口で重要なのが口であり、食べ物を噛み砕いたり嚥下するための「顎」です。
しかし、脊椎動物の祖先には、どうも最初は顎がなかったらしい。無顎類、という読んで字の如く顎のない生物が今でもいます。無顎類の一種、円口類と言われるヤツメウナギなどには顎がありません。ヤツメウナギは、顎がないため、ヒルのように他の生物の皮膚などへ吸い付いて養分を得る。サケなどの大型の魚類に吸い付きながら「寄生」するヤツメウナギもいます。
一方、やがて鰓呼吸のための骨格の変化から顎のある生物、有顎類、というのが出現して、無顎類の生態域を脅かし、結局は顎が勝利して無顎類をほぼ絶滅させてしまいます。顎があれば、吸い付いたりすることなく、他の生物に噛みついたり呑み込んだりして補食することができる。脊椎動物にとって、顎ができたことは大きな進化だった、というわけです。
表題の記事では、1972年にすでにシベリアで発見されていた4億1500万年前、デボン紀の脊椎動物の頭蓋骨化石(Janusiscus schultzei)から顎の進化の始まりが解明されるかも、と書いています。これ、我々、ヒトを含む有顎類の祖先と考えられるそうで、サメのような硬骨魚類との共通祖先とも考えられるため、サメは原始的、という説も引っくり返されるかもしれません。
この頭蓋骨化石は2センチほどの大きさで、専用のCTスキャンで分析されました。その結果、3Dモデルを作ることができ、顎の進化を解明する大きな手がかりになることがわかったらしい。また、この頭蓋骨には脳を収めるケースがあり、そこへ血液を供給する血管もできていたそうです。ただ、この化石には肝心の顎がなく、研究者は発見されたシベリアのどこかにあるのでは、と考えています。
デボン紀には、硬骨魚類や両生類、昆虫類の祖先が出現しました。そのころの脊椎動物には、すでに顎が備わっていた、というわけで、今回の発見はかなり重要。我々が自身の「管」へ食べ物を入れる顎。それが最初にどうやってできたのか、これはかなり興味深いミステリーです。
サメなどの硬骨魚類と軟骨魚類の共通祖先の「顎」が青く示されている。Credit: Oxford University/K Trinajstic
Phys.org
Two-faced fish clue that our ancestors ‘weren’t shark-like’
Report: Guns will probably kill more young Americans than car accidents in 2015
VOX
米国では2015年にも交通事故死よりも、自殺などを含む銃による殺人のほうが上回るだろう、という記事です。これ、銃による殺人が増えているから、と思いきや、そうではなく交通事故死が減っているかららしい。ただ、銃が原因の死亡数は横ばいです。米国の子どもが銃で死亡する数は、カナダの四倍、イスラエルの七倍、英国と比べるとなんと65倍も多い、とのことです。
『The Economist』によるグラフ。
432時間サイクルで食用虫を養殖し続ける飼育装置「FARM 432」
Gigazine
世界的に全人口を食べさせていけるだけの食糧生産はあるようですが、それがまんべんなく分配するのが難しい、というのはよく聴きます。いずれにせよ、人類にとって食糧問題は喫緊の課題であることは間違いない。この記事で紹介しているのは、食用の昆虫を養殖させる機器。アブの幼虫を食べるらしい。昆虫食は確かに食糧危機を解決できるのかもしれませんが、なぜか人類の多くは昆虫を食べたがりません。我々のご先祖は昆虫を常食し、たくさん食べていたはずなのに、これはかなり不思議なことです。
LIVIN社製の昆虫養殖マシン。
How to Set a Target Body Weight for Better Chances of Diet Success
lifehacker
ダイエットで体重を減らすための成功の秘訣を教えてくれる記事です。目標値を定め、継続的にダイエットを実施し、定期的に体重計で計る。そうすれば、半年で体重の10%減も可能、とのこと。こういうのって当たり前のことなんですがね。なかなか続けられない、意志が弱い、という部分が問題なのかもしれません。
If Superheroes Were From The Elizabethan Age
Buzzfeed
スーパーマンやキャットウーマンなど、原題のヒーローをエリザベス朝っぽい雰囲気のポートレート撮影したBuzzfeedです。なかなかいい感じ。デカいエリマキが特徴。400年も前から彼らがいたような気になってくる。シェークスピアもキャラに登場させたかもしれません。
Sacha Goldberger / Via sachabada.com
アゴラ編集部:石田 雅彦