政府・知財本部の会合で、eスポーツが議題となりました。
統一団体、日本eスポーツ連合(JeSU)浜村弘一副会長を招き、状況をお教えいただき国としての取組を論議しました。
連合の岡村会長(CESA会長)も委員として参加されました。
SuperDataによれば、世界のeスポーツ市場は2017年の15億ドルが5年後の2022年には23億ドルに成長。
アジア、北米、欧州に市場は3分されています。
Newzooの資料では世界オーディエンスは16年2.8億人が5年で5.6億人に増加見込み。
しかし日本は後進国状態で、賞金大会では米Dota2が総額25億円に対し、日本では破格とされるモンストグランプリで5000万円。
刑法・風営法・景表法の3法規制をクリアするとともに、IOC加盟を目指して公式に選手を送れるようにすることなど環境整備が課題でした。
このため、既存3団体を統合し、CESA・JOGAといったゲーム産業界も協力する新団体JeSUが発足し、プロライセンス発行などの活動を始めたことはエポックメイキングで、政府も注目するに至ったわけです。
音事協・堀会長:日本製ゲームの競争力は?
浜村さん:格闘ゲームはじめ強いものはある。
瀬尾委員:音ゲーなどもeスポーツになる?
浜村さん:入る。タイムアタック的なゲームなども入る。
(隣に座ってる岡村さんのセガはぷよぷよで参戦ですし!)
NTV宮島さん:法規制をクリアする見通しは?
浜村さん:景表法は消費者庁と協議を重ね、プロライセンス発行でクリアしたと認識している。賭博罪は資金の流れに気をつけることでクリアされる。ただ、風営法は適用される部分があるので課題。
福井弁護士:景表法の整理kwsk?
浜村さん:プロによる公演は法の適用外というのが消費者庁の認識。どこまでがプロの高度なパフォーマンスで、eスポーツとはどの範囲か、がこれまで不明確だった。ライセンスと大会基準でeスポーツのプロを定めることで問題なし、という整理で消費者庁の理解を得た。
また、賞金の提供方法として、IPホルダー(ゲーム会社)からカネが出る形でなければ、アマ大会でも大丈夫だったのだが、そうした大会が開催されることは稀だった。
(この答弁は重要。ネットではまだ景表法の適用を受けるのではとか消費者庁がやってくるとかいう噂や不安が流れていますが、これは各省庁代表の集う政府横断の会議であり、公式議事録にも残るので、これが間違っていたら消費者庁や警察庁からも修正が入ります。疑義クリアということでひとつ。)
座長としてコメントしました。
「後進国から世界をリードする立場に飛び立ってもらいたいが、離陸期なので課題も多い。
経産省・総務省・文化庁・スポーツ庁、消費者庁に警察庁がからむ横断領域であり、知財本部で取り扱うのがふさわしい領域。戦略を考えたい。」
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2018年5月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。