「平成30年7月豪雨」から2か月。今度は台風21号が近畿や四国を中心に大きな爪痕を残した。NHKニュース(4日23時30分)によると、3府県で7人が死亡し、全国で335人が負傷。関西電力管内で約160万件が停電した。
なかでも5人が死亡した大阪では、関西国際空港が高潮により、ほぼ全域で水没状態に。空港内の約3000人が取り残された。本州との連絡橋に流されたタンカーが衝突する様子が報じられたことも今回の被害を一層センセーショナルにしている。
くしくも9月4日は関空の開業日で、25年目を迎えたところで開港以来、最大の危機を迎えた。大阪府知事在任中、2本目の滑走路を設置する「二期工事」を推進した太田房江氏(参議院議員)は、節目に合わせ数日前にアゴラに寄稿。4日朝に掲載された記事では、紆余曲折の二期工事を乗り越え、関空がインバウンド需要や関西経済を支えるインフラとして貢献するに至るまでの歴史的経緯を振り返っていた。
太田氏は4日夜、アゴラ編集部の取材に対し、「言葉を失っている。関空の被害は、大阪や関西の経済に与える影響が大きい。想定外の被害でとにかく心配だ」などと動揺を隠せなかった。さらに「被災地の復旧を急ぎ、地域経済への影響を最小化すべく国としても支えていかなければならない」と指摘した。
(ツイッターでも同様の談話を発表)
この度の台風で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。亡くなられた方々に慎んでお悔やみ申し上げます。関空の冠水には言葉も失っております。停電も広域で続いており、心配が尽きません。早期の復旧、地域経済への影響を最小化へ、国としても全力で支えていきたいと思います。 https://t.co/fGSGmqj7qY
— 太田房江 (@fusaeoota) 2018年9月4日
太田氏の記事でも紹介されていたように、関空は近年、円安効果やビザの規制緩和を背景に外国人観光客が急増。2012年に約12万だった発着便数は6年で19万件に迫り、今年も件数増が見込まれていた。運航への支障が長期化すれば、好調な関西経済の不安要因になるだけでなく、万博誘致構想にも影を落としかねない。