第4回都議会定例会終了:ぼったくりバーに物申す東京都へ ‼︎

第四回定例会も昨日で無事終わり、個別の調査や都民からのご相談などは1年365日年中無休でありますが、明日小池百合子知事に「東京都予算編成に関する提言」をお渡しして2019年議会活動は終わりとなります。

本会議一般質問はなかったものの、各会計決算特別委員会(建設局、都市整備局、港湾局、中央卸売市場(と場会計のみ)、環境局、産業労働局、労働委員会)と、公営企業委員会の事務事業質疑、予算提言作成、文書質問も提出し、毎度ヘビイな10月~12月でした。

バタバタしましたが、滞りなく職務を全うでき、また質疑を通じ新たな発見もあり、地方議員という仕事の醍醐味や、終わりなき研鑽を続けなければなぬ責任をヒシヒシと感じております。つきましては、幹事長談話をまとめましたので、ぜひご一読くださいませ。

平成30年第4回都議会定例会を終えて

内閣府によると、本年の国内総生産(GDP)は、1~3月期は前期比0.2%減、年率換算で0.6%減と9四半期ぶりのマイナス成長の年明けとなりました。続く4~6月期は実質年率0.7%増、7~9月期は同2.2%増となりましたが、GDPデフレーターは、4~6月期は0%、7~9月期はマイナス0.3%と実際の経済成長はマイナスです。

これは4~6月期は公共事業である公的固定資本形成が2.3%増加したことが大きいとされています。また、生活実感に近い名目GDPは、7~9月期には、物価変動を除いた実質で前期比0.6%減、年率換算では2.5%減でした。

同期の実質GDPを需要項目別にみると、個人消費は前期比0.2%減、住宅投資は0.7%増、設備投資は2.8%減、公共投資は2.0%減となり、増減への寄与度をみると、内需がマイナス0.5ポイント、輸出から輸入を差し引いた外需はマイナス0.1ポイントでした。

このように、本年の国内経済は、内需の弱さと公共投資による下支えによる低成長という平成期を通した動向が典型的に表れており、この動向は新年度も継続するものと考えられます。

都の平成29年度一般会計決算は、歳入7兆1863億余円、歳出6兆9347億余円、形式収支は都税収入が4年連続の増収となり、歳入も増加した結果、2515億余円の黒字、形式収支から翌年度に繰り越すべき制度繰越2510億余円を差し引いた実質収支は6億余円の黒字となっています。

決算意見においては、都は「今後とも新しい東京の未来をつくり出すため改革を進め、東京の持続的発展と都民福祉の一層の向上を図っていく必要がある」としてます。新年度予算編成においては、さらなる行政活動支出の精査・抑制と都債残高の削減により、財政の健全性と持続可能性の確保にひるむことなく、取り組まなければなりません。

来年は消費税増税も予定されているにもかかわらず、第202号議案ほか3件の職員の給与の増額議案がまたしても上程されました。国民の景況感がまだまだ回復していないと言われている今、中小零細企業が多い我が国において、50人以上の事業規模を持つ民間企業の給与平均値を算出し、民間給与と公務員給与の差を増額調整するこの人事委員会の引き上げ勧告の妥当性は極めて疑問視されるものであることを当選以来指摘を繰り返しておりますが、残念ながら当局との認識は今回も共有できなかったことから、反対いたしました。

また、同様の理由から、職員の給与増額に伴い、自動的に都議会議員の議員報酬・期末手当と連動してしまうことを防ぐための議員提出議案第21号に賛成するも否決されましたことも非常に遺憾に思います。

今回争点となった、政府与党による税制調査会が大都市と地方の税収格差解消のための「偏在是正」措置ですが2019年度税制改正により、東京都の法人2税の税収の内9千億円が他都道府県へ回ることになっています。1995年の地方分権推進法制定以来、国からの地方分権が進む中、少子高齢化や過疎の問題など複雑化する地域課題は山積しております。

国と都道府県・区市町村との関係においては、中央集権体制を地方分権に改める2000年4月の地方分権一括法の施行により、機関委任事務制度が全面廃止され、国と地方自治体が「上下・主従」から「対等・協力」の関係が実現するとともに、地方自治体は自己決定・自己責任の原則に基づいて地域の実情に応じた行政運営を行うことが求められることになりました。

それにも関わらず、小池知事が閣僚であった小泉政権下での三位一体改革では、税財源の移譲が不十分なまま、現在に至っています。さらに今回は大都市を狙い撃ちし、地方との軋轢を生じさせて、有無を言わさず、都民の税金は事実上収奪されております。知事をトップとして、各局で国に言うべきことを言い、議会を含め、不断の努力を続けていくべきと考えます。
以上

お姐総括!

昨日の都庁。怒れるウルトラマンのようです(笑)

昨日財務局から発表された平成31年度与党税制改正大綱に対する都の見解についてもご一読ください。静かに怒ってますw

前述の偏在是正措置のみならず悪名高き「国直轄事業」なるものがありましてね、この国と東京都との事業連携と役割分担については、道路法などの関係法令に基づき、その経費の一部を地方公共団体が負担することとなっていますが、事業選定や負担額について、都は決定権を持っていません。国に対し、東京都の意思が反映されるよう、都と国は、毎年、一般に公開の上「事業連絡協議会」を開催し、国が実施する事業の内容や進捗状況などの情報提供とともに、意見交換などを行っています。

東京都としては「相互の連絡調整が図られ、事業の円滑な推進に寄与していると認識している。」としているのですが、かつて、国直轄の公共事業費の一部を明細書もないまま負担金に紛れて自治体側が支払わされている負担金制度に対して当時の橋下徹大阪府知事が「ぼったくりバー」と批判し、国と対峙しました。

例えば建設局の平成29年度決算においては、国直轄事業の支出済額は326億38万3,463円だが、国庫支出金は366億3,631万1,000円、差し引きプラス40億3,592万7,537円となっており、マイナスの場合は全て都民の負担として回っているのです。税源収奪は9千億だけではない!!かくなる上は

ぼったくりバーに物申す東京都へ!!

と言いたいですし、言うためには東京都富裕論を喝破しなければなりません。

決算期間中は、水道局の談合事件が再発しましたし、相変わらず外郭団体への都職員天下り、税金投入という東京都政内税の「偏在是正」すべく、お姐の政治哲学「税金の無駄遣い、不正・癒着天下りを許さない!」を断行する2019年、そのために地域政党自由を守る会メンバー一同統一地方選に挑んでまいります。


編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2018年12月19日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。