10月1日から消費税が上がります、私が天下の悪税制だと思っている軽減税率の対象品が、いわゆる食料品となぜか新聞で、それ以外は8%から10%に象勢されます。その消費税引き上げまであと22日、テレビでは最近「増税までに買っておくべきものは何か⁉︎」という特集をやっています。
当然、外食・アルコールを除く飲食料品(精米・野菜・生肉・鮮魚・乳製品・パン類・菓子など、)は8%に据え置きですから、慌てて購入する必要はありません。それでは買っておくべきものの定義は、あまり値段が変動しないものだそうです。例えば高級ブランド品はあまり値段の変動がありませんね。ですからクリスマスプレゼントで買うならば今のうちに買って保管しておいた方がいいということでしょう。それから家電製品も値段が変動するものと変動しないものがあり、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電はあまり値段が変動しません。
一方でテレビやオーディオなどは、新製品が登場すると前のモデルは下がり、あるいは技術が進歩して、値段そのものが下がりますので慌てて買う必要はないということです。今年は原料アップや人手不足を背景に、インスタント食品、冷凍食品、お菓子、各種飲料が値上げになりましたし、また映画鑑賞代なども値上げになっていました。そこに10月からの消費税アップですから、消費が鈍るんじゃないかという懸念から企業はかなり努力して、実は値下げラッシュなんです。
例えば外食レストランも、スーパーも、コンビニも値下げしています。例えば西友では600品目を値下げし、ミニストップではおにぎりを一律108円に統一し、2〜32円の値下げになりました。それから全国に展開する無印良品では、家具や小物など1100品目を値下げしたそうです。
この時期、なぜ値下げをしているのかといえば、やはり消費税が上がることによって消費が手控えられるということを前提にして、だったら敢えて値下げをすることで消費意欲を刺激しようと各社が取り組んでいます。ただ、お客を繋ぎ止め、そして消費税アップでも消費が鈍らないようにする取り組みは立派だと思いますが、当然企業にとっては利益が薄くなり、結果それらの企業の収益減に繋がったり、また値下げを仕掛けることによって同業他社も値下げすることで、競争が激しくなり、デフレが進むことになりはしないかと懸念します。
企業業績が圧迫されれば、今度は賃上げがとまる。そうなると、本格的に消費が減るというデフレスパイラルに陥る可能性があります。
ヨーロッパやアメリカでは増税があると商品やサービスの価格転嫁になるのが一般的ですが、日本の場合はこうして企業が頑張る。
ここの合理的な判断なんですけれども、ちょっと心配です。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年9月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。