私の瞳に何か映ってますか?

先日見ていたNHKニュースで「瞳に映った景色で女性宅を特定」という見出しを見てかなりびっくりしました。

どういうことかと言うと、先月、東京江戸川区のマンションに帰宅したアイドル活動する20代の女性に対して、背後から顔で口をふさいで引き倒し、体を触るわいせつな行為をしてけがをさせたなどとして、さいたま市に住む男が逮捕され、今月起訴されました。

この男がどうやって女性の家を特定したのかというと、なんと「瞳に映る景色」と供述したそうです。要するに写真に写る女性の顔、その瞳に写っている風景が手がかりに、瞳に映っていた駅をGoogleストリートビューで割り出し、さらに特定した駅で女性を待ち伏せし、あとをつけてマンションをさらに特定。そして部屋の中の写真をSNSにアップしていたことから、今度はカーテンの位置や光の差し方、これでマンション内のどこの部屋なのかまで特定し、犯行に及んだそうです。デジタルツールを活用して現場にまでたどり着けてしまう、これもはやデジタルストーカーですよね。

この件に限らず今やSNSを活用して住所などを特定して悪事を働くというのは、犯罪の基本中の基本だそうです。

例えば「東海道線が遅れている」などとあげれば、最寄路線の可能性が高い、それから犬の散歩風景や帰宅途中の飲食店などで範囲が狭まり特定される可能性が高い。そして乗ってる車や、飲食店、洋服やカバンなどのブランドをアップすれば、裕福度がわかります。さらに「温泉に行ってきます」「ハワイに行ってきます」などとアップすれば、不在なのかがわかります。

今や日本だけではなく世界中の空き巣や強盗の常識になっているSNSでの情報収集、とはいえSNSは友人とのコミュニケーションツールとして重要で、「いいね!」が欲しいという承認欲求がある人も多いでしょう。犯罪に使われていることを深く考えずに若い人からおじさんおばさんまでもが、みんな不用意にアップしていると思うんですよね。しかし今や、カメラの解像度も上がり本当に気をつけなければいけない。特に女性には気をつけてほしいと思います。

これからは、ピース写真もあげちゃ駄目ですよ!

なぜならば画質向上のため指紋がクリアに写っているので、指紋を読み取られてしまいます。
今や指紋認証は様々な場所で使われており、下手をするとスマホが乗っ取られ、銀行のATMから現金を引き出される、マンションのオートロックを開けられて中に入られてしまうことなどがあり得るわけです。

そんなこと考えていたらこれから先、顔認証だって3Dプリンターでかぶりものを作り本人に成りすまされてしまうのでは?
と心配してしまいます。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年10月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。