私たちは、変化が大きい社会を生きています。数年前まで当たり前だったものが、すでに過去の産物となるほどに変化のスピードは増しています。このような時代では思考を柔軟にしなくては対応できません。
今回は、15冊目の著書『「明日やろう」「後でやろう」がなくなる すぐやるスイッチ』(総合法令出版)から、情報社会を行く抜く方法について紹介します。
あなたの仕事は時代にマッチしている?
自然科学者の、チャールズ・ダーウィンは、「この世に生き残る生物は、変化に対応できる生き物だ」という考えを示しました。私たちが、毎日見ている景色は一面でしかなくて、私たちの目が届かないところで多くの変化が進行しているのです。
「すぐやる人」は自分をアップデートすることを忘れません。やらない人は現状に固執します。情報は常にアップデートしなければいけません。取りあえず収集して精査する。情報に触れないことには評価ができません。ニーズがあれば、なぜニーズがあるのかを考えます。流行のものがあれば、なぜ流行っているのかを考えてみます。
アップデートするには参考にするソース(情報源)を変化させなければいけません。ソース先そのものや年代、専門を変えてみることも一考です。ソースを変えるということは、それまでよりも「事実」の見え方が異なってきます。
この違いがわからなければソースを変えても何も学ぶことはできないでしょう。なぜそうなるのか、どういう背景があるのかを考えてみるのです。そうすると、今までとは違った価値観があることに気が付きます。
アップデートの方法とは?
海外には最先端の技術を使った新しいコンビニがあります。その名も「AmazonGO」。米国のAmazonが展開する新形態のコンビニです。お客様が商品を手に取ると、その顧客のAmazonアカウントのカート内に自動で商品が入っていき、の出口で自動決済されます。
人件費が削減され、安く購入できるので利用者は今後増加するでしょう。私が子供の頃、駅には切符にハサミを入れる駅員がいましたが、今は自動改札が当たり前になっています。高速道路の料金所はETCが増え、ガソリンスタンドも無人の店舗をよく目にします。これは世の中でレジ係が不要になっていくということを意味しています。
英国のオックスフォード大学のオズボーン氏が、2014年に発表した論文『雇用の未来―コンピューター化によって仕事は失われるのか』では、今後、10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されると論じています。
経営者からすれば、安くて確実、不平不満を言わないロボットの方が便利ということになります。私たちはこの現実をどのように理解すればいいのでしょうか。
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※15冊目の著書『すぐやるスイッチ』(総合法令出版)を出版しました。