たくさんの個性的な人たちの人生を描いた自叙伝やノンフィクションを読んできました。写真に掲載した書籍はほんの一部です。
リアルな人生を振り返ったこの手の本を読んでいつも思うのは、人生で失敗をしていない人はつまらないということです。
失敗をしていないという事は、リスクを取らないで生きてきたことの裏返しとも言えます。
安全な場所でレールに乗って、そこからそれないことを目標にするような「失敗しない人生」を歩んでいる人には、どうも興味がわきません。
社会の常識や一般の人の価値観に逆らうようなハイリスクな行動をすればするほど、うまくいけば得られるものも大きくなり、人生の満足度は上がるかもしれません。でも、失敗したときのダメージもその分大きくなります。
そんな生き方を選択して、波瀾万丈でどん底を味わい、ジェットコースターのような歴史を刻んだ人には、人生を達観するようなスケールの大きさを感じて、惹きこまれてしまうのです。
本人にとっては不本意で辛いこともたくさんあるのでしょうが、読者からすればその時の心境や、その苦境をどのように乗り越えたかを知ることがこそが、自分では体験できない貴重な価値です。
今朝の新聞に四国の製紙会社の御曹司の自叙伝の続編の広告が掲載されていました。
この人も自分のやりたいことを突き詰めた結果、実刑判決まで受けてしまった不器用な人です。私には、そこまでの度胸はありませんが、なぜそのような選択をしてしまうのかには、共感できる部分もあります。
失敗した人の話を聞くのが好きなのは、そのような人生に憧れ、自分自身も実践してしまう不器用さがあるからかもしれない。そんな風に自己分析しています。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年6月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。