池尾さんの記事へのコメントだけど、ちょっと長いので投稿します(こんな感じでゲスト投稿できるようにしました)。
おっしゃるように要素価格の均等化は、理論的には避けられないが、実証的にはそれほど見られません。これは賃金に下方硬直性があるからだと考えられます。したがって国内で雇用を創造するには、部門間の労働移動によって単純労働の賃金を下げるしかない。欧米の「サービス経済化」の実態は、そういうことだったわけです。
しかしこのような賃下げだけでは成長率は上がらないので、付加価値の高い金融やITなどの分野で成長企業が出てこなければならない。ところがこうした分野では、日本企業の国際競争力は絶望的です。先日、あるシンポジウムで佐々木俊尚氏が「もう日本のITの競争力をどうするかという時代は終わった。内外の実力の差が大きすぎるので、これからは外資の参入をいかに防ぐかだ」といっていました。
他方、人材を育てる大学の質もそれに劣らず低いので、今の大学で勉強しても(慶応以上のレベルの大学は別として)ほとんど役に立たない。定員割れになっているような多くの私立大学は、専門学校のような「実学」に徹すべきだと思います。形骸化したアカデミズムを捨て、介護などの実技と使える英語を身につけたほうがいい。
もう一つは既存の企業にないクリエイティブな能力を育てることですが、これも今の大学では無理です。理科系の学力は高いが、その技術が製造業に片寄っている。文科系の大学院は学部より入りやすいので、低偏差値大学の卒業生が就職に失敗して東大の大学院に入ったりする「学歴ロンダリング」が多い。
池尾さんの期待するような知的エリートが出てこないと日本の未来に希望はもてませんが、そういう人材を育てるしくみが今の大学にはほとんどありません。民主党の「コンクリートから人へ」というスローガンはいいけれど、具体的にどう次世代の人材を育てるのかという戦略は何もない。まず大学制度の廃止を含めた高等教育の見直しをしないと、日本の衰退は止まらないと思います。
コメント
私のような者がこんなところにコメントしてもいいのか、と思いつつ、激しく思うところを。
保育園と幼稚園を充実させることは、先ず何よりやらねばならんことだと思う。
そして高校教育の実質無償化には、私は反対だな。それよりも中卒レベルの底上げか、小学校から落第・スキップがあった方がいい。 子どもを甘やかすのは彼らのためにならない。
で、男子は中学校の間に「元服」させる。
高校は減らして、公立の職業訓練校を増やす方がよい。大学進学希望者のために、予備校があればよい。そしてムダないらん大学は無くして、本当に勉強に向いた、奨学金を貰えるレベルの人だけが、大学でしっかり学問を修めればよい。
15歳くらいで第一子を産んで、それからでも勉強して仕事ができるように、社会は前向きになった方がいい。
御厨貢氏が、「小泉政権は本質的には反知性主義だった」という旨を書いていたけれども、民主党はどうなんでしょうかね? 鳩山政権には高学歴者が少なくないけれども、高学歴=知性主義的では決してにからね。
なお、日本のトップ10くらいの大学は、海外のランキングでは低位だとよく言われるけれども、非英語圏だからという面が大きくて、実際にはなかなかのレベルだ(というところもある)と思いますよ。
高校教育の実質無償化みたいな甘えた考えは、今は間に合わせでも、早い将来に考え直せるようにしてほしいものだ。これはムダな予算だ。
(続き)
高校は本当の金持ちだけが遊ぶために行くところでいい。
高校に行くということは、そういう人間であるというステータスでいい。
大学は本当に賢い、学問を修めるにふさわしい人間のみを厳選すべきである。
大学を卒業したということが、本当に世の羨望と尊敬の的になるにふさわしいことであったが方がいい。
他はなんでも、自由に学べる機会さえあればいい。
と、思っています。
自分のブログに思うところの詳細をしたためました。http://uraraprep.blogspot.com/2009/11/2010.html
http://uraraprep.blogspot.com/2009/10/blog-post_31.html
俺は大部分の人は高卒で十分だと思っています。
皆が大学に行く主な目的は大卒でないと、まともな職業に就けないから行ってるんだと思います。けど会社の仕事のほとんどは大卒である必要性はありません。別に高度な学問が必要なく、入社してから仕事をしながら、覚えながらこなす仕事がほとんどだと思います。高卒で十分な仕事に大卒の新卒でないと採らないなんて俺は理不尽だと思っています。
大学に通う人は本当の意味で向学心がある人が、年齢や性別に関係なく行けばいいと思います。いらない大学を整理して、残った国立大学の授業料を年額10万以内で通えるようにすればいいと思います。
あと必要な生活費や寮費の援助や奨学金を充実して、やる気と能力のある人が生活費の心配なく通えるようにしてあげればいいと思います。
いらない大学と学生が多すぎる事が問題だと俺は思っています。
私は大学生が勉強しないのは日本の企業のせいだと思っています。欧米のように企業が大学の成績を評価すれば、大学生は勉強するインセンティブができますし、大学院の学位を評価すればもっと大学院に優秀な人が進むようになるでしょう。
日本の優秀な文系が院に進まないのは、企業が大学院をあまり評価しない(賃金に院卒と学部卒の差があまりない、大企業に入るのにも院卒が有利という事はない)ので、院に進むインセンティブが非常に小さいのです。例えば金融関連の企業なら、文系でも院卒をもっと優遇するような方針に変えてもいいと思いますが。
大卒が多いことが、ニートや引きこもりを増やしてると思う。
高学歴過ぎると、工場労働とか販売の下働きの仕事が出来なくなると思う。
みんながみんな偉くなれる訳ではない。1人の幹部候補生がいたら最低でも10人の下の人間が必要になる。なのにこんなに大卒を増やしてどうするのと思う。
下働きをしてる人間がこのままでは嫌だと思い、後から勉強して大学や大学院に行くのは悪くないと思う。勉強する意欲や目的がはっきりしてるし、仮に卒業後の就職に失敗しても下働きが出来ると思う。
問題は中学、高校、大学と社会に出ず進学して、就職出来ないことだ。その人が諦めて、簡単に下働きを出来るのかと思う。つまらん仕事に就くぐらいならと、ニートやフリーターになる可能性が高くなると思う。
どちらにしろ販売の仕事に営業とか簡単な事務職とか、高卒でいいんじゃないかと思うんですよ。世の中、そんな単純な仕事がほとんどなんだから。
いらない文系、特に私立文系の大学はもっと減らした方がいいと思うんですけどね。