自民党には魔物がいるのでしょうか?下村博文氏が政倫審に出席の意向を示したものの見えない神のチカラにより出席を阻止された、と報じられ、それが直ちに下村氏により否定され、出席したい意向だと報じられています。下村氏に妨害が入っているのは政倫審で爆弾を落とすのではないか、あるいは今迄の「ウソ」がばれるのではないかという懸念があるのでしょう。先般の政倫審では「誰かがウソを言っている」と野党が追及していましたが、私はそれを見て「いや、全員がウソを言っている可能性もあるんじゃないの?」という気がしました。さて、パンドラの箱から白い煙が出るのでしょうか?
では今週のつぶやきをお送りします。
市場は祭りか、バブルか?
本日発表になったアメリカ2月の雇用統計は雇用者数は予想の20万人に対して27.5万人になったにもかかわらず失業率が予想の3.7%に対して3.9%で着地。これに対し市場は利下げの催促相場になっています。ちなみに労働参加率も変わっていない中で失業率だけが悪化したので労働人口の増大に雇用の吸収率が下がっていると見るべきでしょうか?株式市場では個人的にエヌビディア祭りのエンドは近い気がする点と、ハイテク株はエヌ社以外は一進一退の攻防が続きそうだと思います。一方、注目されませんが、ここにきて俄然上昇加速をしているのがGEで宇宙関連株のエンジンは強しに見えます。2度目の会社分割も間もなくで、業績良好、将来期待も高くなっています。こういう銘柄が上がり始めるのは良い傾向だと思います。
日本については為替がキーになってきます。これは以前から何度も指摘してきたこと。日銀が政策変更するなら円高に向かいやすい環境になります。また3月末決算を控え、海外からの資金還流がピークを迎えるころなので円買いはどうしても増えやすい環境にあります。3月20日を過ぎるとこれは収まりますが、日銀の動きが思惑を呼び込む可能性はあり、10円程度の為替の振れ幅は気を付けたほうがよいかもしれません。海外勢は日本国債の先物ショートを目いっぱい張っていますのでアメリカの二の舞があるとすれば国債下落⇒株下落と円高の両建てショックには身構えるほうが良いかもしれません。
あと先週呟いたとおり、ビットコインと金が吹きあがりました。ともに史上最高値を付けていますが、ビットコインは来週には7万ドルへの挑戦となるとみています。金はこの1週間で7%程度上昇で専門筋はこの上昇は息が長いとしています。金はこの数年動きが鈍かったのですが、長期チャートでは確実に下値を切り上げていることから私が先週申し上げた2200㌦は通過点で年内2500㌦という強気の声も出ています。ただ、円建ての金は為替で相殺されるのでぼちぼちかもしれません。このような代替投資に資金が回っているということはバフェット氏がいうように買える銘柄がなく、資金の行き所を探しているようにも見えなくはないですね。
バイデン大統領の一般教書
7日に行ったバイデン大統領の一般教書演説。アメリカ大統領が議会演説する機会は極めて限られており、次期大統領になれなければ議会演説はこれが最後だったのでしょうか?(違ったらごめんなさい。)内容は一般教書というより選挙演説とトランプ氏批判。かつてはトランプ氏の罵り方や言葉遣いはひどいものだと思いましたが、バイデン爺もかなり辛辣な表現をよく使うようになりました。表現力を重視する日本語の先生からすれば「サイテー!」で、アメリカ英語の品のなさを表しています。それをアメリカ人はストレートトークというのですが、ブリティッシュ英語に慣れ親しんだ者からすれば「まぁ、お下品ねぇ。こういうのを野蛮というのかしら」と言うわけです。
結局、バイデン氏はどうにかして民意をつかむ、そして無党派へ民主主義のあり方を伝えたい、その前向きの姿勢が強く出た想定通りの内容であります。妊娠中絶の判断も覆すと「公約」し、ウクライナ支援を継続するとし、富裕層への課税強化を図り、中間層の底上げをすると述べています。自民党総裁の演説に似ています。社会の立ち位置を標準偏差で考えれば右派とか左派といった思想が社会の動向により針が振れるように動くのですが、アメリカの場合、この偏差のばらつきが非常に大きく、バイデン、トランプ氏それぞれが自分のほうに引き寄せる吸引合戦をしているとも言えます。
アメリカは国が二分してるとは言いますが、オセロゲームではあるまいし、全ての人に白黒があるわけではありません。ただ、声の大きい人が大きな声で主張し、メディアがそれを煽るのです。それで人々の気持ちが右へ、左へと揺れ動く、これが実態でしょう。ではアメリカ国民はどこまで政権に不満があるのか、この不満度次第で大統領選の行方が決まるわけです。私が感じるのは多数の民意は民主党支持、だけど、バイデン氏がいや、これが答えではないかと思います。仮に民主党にバイデン氏に代わるリーダーがいれば勝負あったりだと思います。民主党は歴史的に都市層や被雇用者など大衆の味方で票数を考えれば圧倒するものなのです。
福岡と熊本
以前から思っていることがあります。もしも福岡市長の高島宗一郎氏が国政に出て自民党総裁選に出馬したらいつか首相になれるのではないか、という気がするのです。理由は明白。まず、アナウンサー出身なのでトークが抜群にうまい。先日も高島さんが東京で講演をした際にオンラインで拝見しましたが、アメリカのIT企業の社長のような軽快でテンポ良い感じでした。また、見栄えもよいし、若く、明白なポリシーを持ち、何より市長4期を通じて福岡市を変えた、そして今でも挑戦し続けている点で高く評価しています。事実、福岡市は人口流入が続き、日本の主要都市の中でも際立ってよい展開をしています。
かつて日本海側は表日本だったことをご存じの方は少ないかもしれません。江戸時代の話です。大阪と東日本や北海道を結ぶ航路は北前船と称し、日本海側経由でした。太平洋ルートは潮があり苦労したのです。が、船が改良されたこともあり、いつの間にか表裏が逆転しました。ある人が「私は山陰出身。だから陰がある」と冗談とも本気ともつかない話をしていました。その中で福岡は日本海側に面しています。そして注目の熊本も日本海側です。つまり、九州においては江戸時代の表日本である日本海側が顔であり、太平洋側が裏側になっています。新幹線が九州だけ日本海側を走るという事情もあります。
福岡の都市発展についてみていた際、人口移動が九州圏という括りの中で起きている傾向を見て取りました。島国の中の島国根性で北海道や四国でもその傾向はあります。「海の向こうは長州さ」と言えば語弊はあるかもしれませんが、九州のポテンシャルは台湾と韓国との貿易や人事交流がしやすいこともあるし、九州経済圏を構築できる面白味を持っています。JR九州はおもちゃの様な様々なデザインの車両を走らせ、楽しさを演出しているし、自然も歴史もあります。熊本が先端工業地帯として進化し、福岡に国際都市機能を持たせることは可能で、政府も福岡を日本の国際都市候補の一つとしています。私は九州には無縁でありますが、妙に九州応援をしたくなる、そんな気にさせる明るさがあります。
後記
漫画家、鳥山明氏がお亡くなりになりました。漫画の世界では神のような方で週刊ジャンプを不動の地位に押し上げた功労者であります。書籍販売をしている我々の経験からはジャンプの特別号が出るのは間違いないはずですが、瞬間蒸発しそうで我々業者でも入手困難になりそうです。日本はアニメ天国、そしてそのアニメを私たちは海外で販売活動を通じて紹介しています。先週末も3日間、イベント出店しましたが、趣味が分かれるのでターゲットを絞りにくく売るのも大変です。お亡くなりになったのは悲しいけれど、皆で盛り上がるためにも鳥山スペシャル、欲しいところです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年3月9日の記事より転載させていただきました。