苦しい運営になりそうな石破政権:自公過半数割れの可能性もゼロではない

中東の緊張感が高まっています。イスラエルの強さの一つにミサイル迎撃システムが充実していることです。イスラエル人とご結婚されている方と昨日話した際「イスラエルは安全。弾は飛んでこないし、いざとなればシェルター完備だから」と平然と述べ、戦争している当事国というムードはありませんでした。防衛システムの差が戦争の勝敗に大きな影響を与えることは確かで、今後、防衛費はより高額に、そして我々の税金はそういう装備や設備の費用に吸い取られていくのでしょう。必要だけどバカバカしい出費であります。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

投資あれこれ

私は9月に手持ちをだいぶ売却し、現金持ちになっているのですが、再投資先に苦慮しています。カナダの銘柄にシフトしているのはカナダ経済の先行きが前向きなのが理由なのですが、ここから更に一定幅の上昇が期待できる銘柄はそう多くはありません。セブン買収に名を挙げたアリマンタシォン クシュタール社はカナダでも屈指の優良銘柄の一つで今後の成長期待もあるようですが私の守備範囲の銘柄ではないので眺めるだけです。

ところで同社によるセブン買収提案ですが、今より上乗せする場合の資金源は確保しつつあるように見えます。巨額資金を運用するケベック年金基金が支援を申し出ているためです。問題はアメリカにあるセブンとクシュタール社が持つアメリカのコンビニ群が合併によりアメリカ当局の許可に引っかかる公算大でこちらの対策をしているものと思われます。一方のセブンはヨーカドー売却方針決定とセブン銀行の連結外しで合戦前の準備に大わらわという感じです。この勝負、まだ先は読めません。

本日発表のアメリカ雇用統計はサプライズ感満載で事前予想を10万人上回る24.5万人増。ただデータを見る限り新規雇用者の長期漸減トレンドは変わっておらず、来月はハリケーンの影響が出るので数値はブレるとみています。ドル円はアメリカ金利の下げベースが緩やかになるのではとの思惑で149円直前まで来ていますが、ちょっと過熱しすぎです。1週間強で6-7円は動きすぎでしょう。ただ理由の本質は日本側に大いにありそうですが。

苦しい運営になりそうな石破政権

所信表明演説では予想通り地方に焦点を当てました。これは首相の個性であり「思い」だと理解していますが、竹下登元総理の発言を当てたのは1億円ばら撒き政策を思い出させ、マイナスイメージです。あれは散々でバブルの象徴のような大盤振る舞いでした。石破氏は熊本のTSMC誘致の成功例を頭に描いているようですが、本格的な地方創生となっても新幹線か主要空港か貨物専用の港が要件になるかと思うのですが、産業を要件としないドラスティックな地方創生案も生み出す必要がありそうです。

石破首相 首相官邸HPより

また、経済成長をさせデフレからの完全脱却を図る、そして最低賃金は1500円を目指すというのは力強い発言です。一方でインフレ対策もするという点で辻褄が合わないのです。最低賃金の上昇は最終消費者への価格転嫁になるのが普通で、物価上昇を引き起こします。よって一定のインフレを認めることになります。インフレ率を低めにする私の奇策の一つとして「毎日の買い物癖から食材のバルク買いを進め、レジも完全自動化する」という方策があります。製造者のコスト減と販売者のコスト減を両立させ、更に消費者が毎日買い物に行かずに済むことで時間の有効活用という生活習慣の変化引き起こすのです。北米では当たり前ですが、日本では簡単ではないです。

さて、これらも踏まえ石破政権は本当に今のような状態で選挙ができるのだろうか、と考えると素人ながらもとても厳しい状況を予想しています。個人的には自民公明を足しても過半数に到達しない可能性がゼロではないのと、自民党内の主流派と非主流派の駆け引き、更にはセンスが今一つな森山幹事長の暗躍が国政を揺るがすような気がします。いまのところ野田氏が野党のリーダーシップを形成しつつありますが、個人的には野田氏が石破氏の政権方針運営との違いをどう表現するか、案外野田氏本人が一番苦慮しているのではないかとみています。つまり立ち位置が似ているので野田氏の得手とする論戦が枝葉末節な議論で終始するのではという気もしています。

連続緊縛強盗事件やらユニクロ大量万引き事件やら…

いったい何がどうしてこうなっちゃったのかさっぱりわからない最近の社会事件。金がないから軽い気持ちで闇バイトに応募するも一度入ると抜けられない怖い世界では冗談にもなりません。遊ぶ金欲しさで無茶苦茶するのは男ばかりではなく女性も散々です。援助交際、売春系が多いと思いますが、最近では日本の女子、海を渡るなどというケースもちらほら。想像ですが「海外ならバレないだろう」だと思います。道徳観も倫理観も社会人としての判断も何もなく、かるーい気持ちでやってそれで捕まり、一生台無しにするのです。

一方のユニクロ大量万引き事件。これはベトナム系の人間がシステマティックに行っていたとされ、日経の記事では大阪の方のユニクロでやりやすい店で特別のカバンをもって大量に盗むというもの。それを最終的にベトナムにもっていけば高級ブランド「ユニクロ様」は確実に売れるとのことでした。曰く「日本は万引きしやすい」。たしかカリフォルニア州は万引き犯は950㌦(約14万円)までは軽犯罪で警察呼んでも捕まえてくれないとか。こうなると世の中全体の規範の問題で、格差の問題もさることながら持てる者は多少盗まれるのはやむなし、ということでしょうか?恐ろしや。

両方の事件に共通しているのは組織ぐるみの犯行で捕まるのは末端のまた末端です。私から言わせれば強盗も「知能格差社会」で強盗を計画する人からみれば実行する人は金でいくらでも釣れる容易い話になっています。女子の「ホストへのみつぐさん」も含め考えると品格以上の問題ではないかと思うのです。ブルームバーグが「渋谷の道はパブじゃない」という面白い記事を出していますが、遊ぶ金欲しさの弱みにつけ入る奴とノリだけの奴という構図そのものを変革しないとダメですよね。改革は地方だけではないですよ、石破さん。

後記
以前グループホームに使うミニバンを購入するのに苦労しているとお話ししたと思いますが、結局、トヨタディーラーで23年型シエナの中古を新車の定価より約70万円上乗せした金額で確保しました。税込みで日本円換算700万円です。ディーラーに「新車購入で2月から予約入れているのに…」と呟いたら「それは待っているうちじゃない、2年半待ちだ」と。更に「日本でアルファードが600万円で買えるだろ、それを中国にもっていけば2000万円は確実なんだ。モノには需要と供給がある!」と経済のうんちくのご講義を聞く羽目になりました。トヨタさん、どうにかなりませんか?

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年10月5日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。