会長の汚染水デマ騒動につづき社長ハラスメント報道で問われるオイシックスのコンプライアンス

食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地を巡り、代表取締役社長の髙島宏平氏に関するハラスメント疑惑が報じられた。会社は公式に謝罪し、経営責任の明確化として社長報酬の返上を決定した。

  • 25日、同社は週刊文春の報道を受け、「本日の報道について」と題するリリースを公表し、顧客、株主、取引先、従業員など関係者に謝罪した。
  • 経営責任として、髙島社長からの申し出により、月額報酬3か月分の全額返上を25日の取締役会で決定した。
  • 髙島社長はコメントで、自身の至らなさを認め、再発防止の徹底と信頼回復に全力を尽くす考えを示した。
  • 文春の記事では、業績が好調で成長を続ける一方、社内で社長が社員に対し「頭悪すぎる」「バカなんじゃないか」といった強い叱責を行ったことや、女性社員への不適切な発言、取締役を「ハゲ」と揶揄する言動があったと報じられた。
  • これらの言動は、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントに該当するとして、社内で問題視されていたとされる。
  • 会社側は質問に対し、ハラスメントと受け取られる発言が事実であることを認め、人事担当取締役による指摘と厳重注意を実施したと説明した。
  • 「ハゲ」との発言については、創業時から近い関係性に甘えたものだったと釈明しつつ、不快な思いをさせた本人や周囲に謝罪した。
  • さらに文春の取材では、社内外での不倫疑惑も浮上しており、問題がハラスメントにとどまらない可能性が指摘されている。
  • 同社を巡っては、2024年2月にも「大地を守る会」系事業を創業した藤田和芳会長が、放射線や原発を巡る発言を行い、陰謀論的で科学的根拠に乏しい「放射脳」的発言だとして批判を浴び、世間の注目を集めた経緯がある。

  • 経営トップや創業者による問題発言が相次いだことで、同社のコンプライアンス意識やガバナンス体制に対する懸念も強まっている。

オイシックス・ラ・大地は、社長の不適切な言動を事実と認め、謝罪と報酬返上という形で対応したが、今後は再発防止策の実効性や、企業統治とコンプライアンス体制の立て直しが厳しく問われることになりそうだ。

代表取締役社長の髙島宏平氏 オイシックスHPより