台風25号で品川駅にタクシー長蛇の列:ライドシェア規制に批判

台風25号が関東地方に最接近した21日、首都圏では鉄道の運休や遅延が相次ぎ、主要駅のタクシー乗り場に利用者が殺到した。東京品川駅では、港南口のタクシー乗り場に約200人の行列ができ、タクシーが到着しても需要に追いつかない状態となった。

「タクシーはありません。ライドシェアも使えません」

鉄道が止まれば、タクシーに客が集中する。当然である。ところが日本では、需要が急増しても「では一般ドライバーに運んでもらいましょう」とはいかない。海外ならUberなどのライドシェアが需要に応じて供給を増やすところだが、日本ではそう簡単ではない。

SNSでは当然のように、「こういう時こそライドシェアではないのか」「なぜまだ自由に使えないのか」という批判が相次いだ。

日本でも2024年から、いわゆる「日本版ライドシェア」が始まったが、その実態はタクシー会社の管理下で一般ドライバーが自家用車を使って客を運ぶ仕組みで、運行できる地域や時間帯、車両数まで細かく制限されている。

需要と供給をアプリがリアルタイムで結びつけるのがライドシェアの本来の強みだが、日本ではそれを行政が規制する。これではライドシェアではなく、タクシー業界の補助要員制度である。

タクシー不足を解消する制度がタクシー会社を守る制度に

そもそもライドシェア導入論が浮上した最大の理由は、タクシー不足だった。地方では運転手不足でタクシーそのものが来ない。都市部でも雨の日や深夜、イベント終了時には車両不足が常態化している。

ならば、需要が増えたときに一般ドライバーが参入できる仕組みを作ればいい。ところが日本では、タクシー業界への配慮から制度を何重にも規制した結果、「ライドシェアを導入したが、自由なライドシェアは禁止」という奇妙な制度が出来上がった。

タクシー不足を解消するための制度が、いつの間にかタクシー業界を守る制度になっている。そして台風が来れば、利用者は駅前で列をつくる。これでは何のための制度なのか。

200人を並ばせる安全安心

もちろん、台風の中で誰でも自由に営業運転をすればいいという話ではない。保険、事故時の責任、ドライバーの本人確認など最低限のルールは必要だ。だが、それと「供給量を行政が細かく決めること」は別問題である。

配車アプリを使えば、需要が急増している場所はリアルタイムで分かる。ドライバーの評価や本人確認、料金決済も管理できる。海外ではすでに当たり前に行われていることだ。それでも日本では、「安全安心」を理由に規制を残す。

その原因は明白である。タクシー・ハイヤー議員連盟の幹部に高市首相と城内成長戦略相がいるからだ。ライドシェア解禁に反対して成長を促進するというのは、悪い冗談である。日本の成長をさまたげているのは、こういう競争を制限する規制なのだ。

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