キャンプはもしかしたら旅行より楽しいかもしれないと思う訳

内藤 忍

旅やキャンプの魅力は、観光地を見学することや地元の美味しいものを食べることだけでは無いと思います。その楽しさの本質は意図的に日常の枠組みから踏み出すことにあります。

普段、便利な都会生活をしていると快適な反面で刺激が無く何だか物足りなくなってきます。不便の無い生活と引き換えに五感を使うことが減ってしまい、生きていく実感が消えていってしまうのです。

そこで旅行やキャンプです。

旅行であれば家から出て見慣れぬ街を歩き、文化や景色の違いを肌で感じる。そんな非日常体験で普段使われていなかった脳が一気に覚醒するような感覚になる。これこそが非日常がもたらす最大の刺激です。キャンプでもきっと都会では味わえない空気を感じてそれが刺激となって気持ちの良さにつながるはずです。

さらに、旅行やキャンプには必ず「制約」が伴います。限られた荷物、限られた時間、そして限られたインフラは普段とは異なる環境です。

不便でしかないこの制約こそが、実は人間の知的な喜びを刺激する最高のスパイスになります。あるものだけで工夫して何とか快適な空間を作り出す。そのプロセスにおいて、私たちは普段忘れている創造性を取り戻していくのです。

また、旅やキャンプには想定外の「ハプニング」が付き物です。

旅行で電車や飛行機が遅延して予定が狂ったり、予約ミスでホテルに泊まれなくなる、あるいは、キャンプで大雨に見舞われたり、火起こしができなかったりといった想定外の出来事は珍しくありません。

直面した瞬間は目の前が真っ暗になるような心境になるこのような体験は後々までずっと記憶に残ります。思い出として大切に思えるのはむしろそうしたトラブルの瞬間では無いでしょうか。

予期せぬ事態に直面した時に、パニックにならず冷静に対応策を考え解決していく。そのプロセスは「人生の縮図」とも言えます。

日常の安全圏を抜け出し、自分の力で課題を解決したという体験が、人生の荒波を超えてきたのと同じように大きな満足度に繋がるのです。

こうして考えてみるとキャンプは旅行よりもさらに一歩踏み込んだ経験と言えます。ホテルに泊まりレストランをめぐる旅行よりも自分で宿泊場所を設営して焚火やコンロで食事を作る方がより厳しい制約と強い非日常感に身を置くことになるからです。

自然の脅威や不便さにより強く対峙する分、工夫の余地もハプニングの度合いも高まります。

自分自身で一から準備して出かけるキャンプはこれから挑戦するところですがキャンプ沼にハマってしまう可能性は意外に高いと思っています。旅行よりも楽しくなってしまえば新幹線や飛行機に乗って国内各地に出かける機会が減ってしまうかもしれません。

lielos/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年9月日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント