東京大学大学院での共同研究をめぐり、ソープランドや高級クラブで接待を受けたとして収賄罪に問われた元教授・佐藤伸一被告(63)に対し、東京地裁は10月22日、懲役2年、執行猶予3年、追徴金約183万円の判決を言い渡した。kab.co.jp

佐藤被告(右から2人目)週刊新潮
共同研究の見返りにソープ接待などを要求
事件の舞台となったのは、大麻由来成分の皮膚疾患への有効性などを研究する社会連携講座だ。起訴状などによると、佐藤被告は2023年3月から2024年8月にかけ、講座の設置や共同研究をめぐって便宜を図った見返りに、一般社団法人「日本化粧品協会」の元代表理事から、都内のソープランドや高級クラブで計28回、約183万円相当の接待を受けたとされる。kobe-np.co.jp
佐藤被告は9月25日の初公判で起訴内容を認め、被告人質問でも接待を受けたことについて反省の言葉を述べていた。検察側は懲役2年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていた。news.tv-asahi.co.jp
今回の事件を、大学教授の私生活上の醜聞で済ませることはできない。共同研究の相手から、研究や講座運営に関わる便宜の見返りとして個人的な利益を受け取った点に問題の核心がある。
贈賄側の元代表理事に対する5月の判決でも、東京地裁は、担当教授らとの癒着によって接待が常習化したと認定。接待の内容にも言及し、東大における職務の公正さや廉潔性を強く害したと指摘している。元代表理事には懲役1年、執行猶予3年が言い渡された。courts.go.jp
東大のガバナンスに大きな疑問を投げかけ、総長選挙にも影響
産学連携は、大学の研究成果を社会に生かすために必要な仕組みだ。しかし研究者が持つ専門性や講座運営上の権限が、接待を引き出す手段になれば、その信頼は根底から揺らぐ。企業や団体にとっての「東大との共同研究」という看板の重みが、研究者個人との不透明な関係につながる危険もある。
問われたのは、教員の倫理観だけではない。この事件で東大は昨年の「国際卓越研究大学」の認定を受けられず、ガバナンスについての学内体制の強化を文科省から申し渡された。今年の総長選でも、この事件が選考に影響を及ぼしたといわれている。






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