米中間選挙は民主党の歴史的大勝:レイムダックになるトランプはどうする?

米国の有権者は、トランプ大統領に厳しい審判を下した。中間選挙で、民主党が圧勝し、上下両院の多数派を奪還する見通しだ。共和党の地盤だった州でも敗北が広がり、トランプ政権の残り2年間は、野党が議会を握る分割政府となる。apnews.com

民主党は下院で255議席、上院で55議席か

以下は11月4日(日本時間)の開票報道に基づくチャットGPTの予測である。

  • 下院:民主党255・共和党180
  • 上院:民主党系55・共和党45

保守地盤まで崩れた共和党

今回の特徴は、民主党の勝利が従来の接戦州にとどまらないことだ。上院ではテキサス、カンザス、アイオワなどを含む7州で共和党の議席が民主党に移った。下院でも、2024年にトランプが大差で勝った選挙区で共和党候補が敗れた。apnews.com

インフレ、イラン戦争、政権の腐敗への懸念が重なった。出口調査でも生活費と政府の腐敗が主要な関心事となり、共和党への不満は全国に及んだ。2024年にバイデン政権のインフレへの不満で返り咲いたトランプが、今度はその不満を引き受ける側になったのだ。axios.com

これは歴史的大勝ではあるが、ウォーターゲート事件後の1974年選挙では、民主党は下院291議席を占めた。今回はそこには届かない。歴史的なのは、共和党の保守地盤が相次いで崩れ、上下両院の支配を同時に失う政治的衝撃である。history.house.gov

「何でも通す大統領」から「拒否する大統領」へ

民主党が下院で大勝すると、委員会の委員長を握れるので、トランプのスキャンダルなどの調査委員会や公聴会が開ける。上院には大統領の指名人事を承認する権限があるので、閣僚や連邦判事などの人事を拒否できる。ABC News

それでもトランプの権力が消えるわけではない。民主党が法案を成立させても、大統領は拒否権を行使できる。その拒否権を覆すには上下両院それぞれで3分の2の賛成が必要なので、今回の議席予測では民主党だけでは届かない。The White House

ここから予想されるのは、民主党が法案を送り、トランプが拒否し、双方が相手を「政治を止めている」と非難する展開だ。トランプは政策を実現する大統領から、野党の政策を阻止するミスター拒否権に役割を変える可能性がある。

第1期トランプ政権でも2度おこなわれた大統領弾劾は、下院では可決できるが、上院で罷免するには出席議員の3分の2が必要だ。55議席では可決できない。senate.gov

トランプに残る3つの選択

第一は、大統領令や行政権限の活用だが、既存法と裁判所の審査による制約を受ける。議会を失ったからといって、行政権で立法を自由に代替できるわけではない。

第二は、拒否権で対立をあおることだ。民主党の法案やスキャンダル調査を「政権への妨害」と位置づけ、拒否権を乱発して支持層を結束させる。トランプらしい選択だが、選挙で離れた有権者を取り戻せるかは疑わしい。

第一は、民主党との取引である。拒否権だけでは何もできない。それを武器にして生活費対策などで部分的な妥協をさぐり、自分の手柄にする。残り2年間で政策を動かすには、これが現実的な道だろう。

レイムダック化の本当の焦点は、大統領の法的権限より共和党内の求心力にある。2028年を目指す政治家たちが「トランプに従うことは勝利につながらない」と考え始めれば、議会で失った議席以上に大きなものを失う。残り2年、トランプに問われるのは、強く命令する力ではなく、敗北を受け入れて交渉する力である。

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