会社で仕事をするのと、自分で仕事をすることの大きな違いは、目の前にレールがあるかどうかです。
会社の仕事は基本的には何をやるかが予め決められています。新規事業のように、何もないところから業務を立ち上げるケースもあります。しかし、エスタブリッシュされた会社であればあるほど、過去に蓄積されたノウハウや取引先があります。今までやってきたビジネスの延長で仕事が進んでいくのです。
ところが、自分で仕事をすると、会社の登記から始まって、誰とどんな仕事ををするのか、0から自分でやらなければいけません。
例えば、バングラデシュに興味を持って、それを事業にしていく場合を考えてみましょう。
まず、知り合いの人にバングラデシュに詳しい専門家を紹介してもらい、その人と何ができるかをディスカッションし、新しい企画を提案します。3月30日のセミナーは、そこから始まりました。日程を決め、コンテンツを固め、開催場所を予約し、募集画面を作って、ブログやメールマガジンで、参加者を集める。そして、当日の準備をしながら、今度は、スタディ・ツアーの企画を旅行会社と開始する……。
今でこそ、セミナーもスタディ・ツアーも世界各国を対象に定期的に開催するようになりましたが、最初に開催する時はまったくの手さぐり。本当にやれるのか、半信半疑の中でとにかく前に進んでいきました。
何もないところに、少しずつ光がさしてきて、段々形になっていく。そんな瞬間が自分自身ではとても楽しく、やりがいを感じる瞬間です。
「0を1にする人」と「1を10にする人」には、求められる能力に大きな違いがあると思います。未開の原野を切り開いて、そこに新しい事業を興していく力と、すでにそこにあるものを、間違えなくしっかりと継続させ、さらに発展させる力の違いです。
2つの能力を兼ね備えていれば、鬼に金棒ですが、多くの人はどちらかの能力に偏っています。
向いているかどうかは別にして、自分自身は「0を1にすること」の方が、圧倒的にワクワクして楽しいと思う性格のようです。「1を10にすること」は、興味があまりなく、どちらかというと苦手なのだと気が付くようになりました。
私のような人は「1を10にする人」と仕事を一緒にやって、役回分担すれば、仕事が綺麗に回り始めるのではないか。最近そんなことを考えています。そろそろ、2年目。新しいステージに向けて、仕事の体制も変えていく時期なのかもしれません。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年3月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。