テレビの視聴者は1000万人単位なので、何が受けるかは出す側にはわからない。こういう場合、なるべくレベルの低い視聴者をねらうのがコツだ。NHKの場合は、池上彰さんのように超初歩的なことから解説する。民放もそれに気づいたらしく、この年末年始は池上さんが引っ張りだこだった。彼が悪いといっているのではない。テレビの平均視聴者は「こどもニュース」ぐらいなのだ。
民放の場合は、日本テレビの土屋敏男さんのいうように「馬鹿にどう見せるか」を考える。コストを節約して数字を取るには、出す側もプライドを捨ててバカになるしかない。しかし出す側が視聴者をバカにしていることは見る側に伝わるので、まともな人はテレビを見なくなる。そうすると見るのはますます老人や専業主婦などの情報弱者ばかりになる・・・という負のループにテレビは入ったように見える。
今年7月のアナログ停波は、テレビ業界の終わりの始まりだ。政府の宣伝している「普及率80%」というのは世帯ベースの数字で、台数ベースでは半分強である。つまりお茶の間のテレビは地デジ化されるが、個室のテレビは粗大ゴミになり、若者はタブレット端末でYouTubeやニコニコ動画を見るだろう。
これは日本の会社の置かれている状況の典型である。過去の成功体験から逃れられず、ビジネスモデルを変えないで品質管理に手を抜き、人件費を削減し、下請けを買いたたく。横並びでゆっくり沈んでゆく限り経営者の責任は問われないが、この「ゆでガエル」状況はいつまで続くだろうか。
コメント
私も、テレビの中で芸能人が「わーわー」騒いでいる様子がどうしてもつまらなく思えるのでほとんどテレビを見なくなってしまった。
不況の中、安い番組制作費で番組を作っていくために身近なものにランキングをつける番組やクイズ番組、ノウハウ番組が多くなっている。また、芸能人同士の内輪ネタなどの番組も多い。このままでは、本当にテレビを誰もみなくなってしまうと私も思う。
テレビに面白いコンテンツが少ないとの思いは同感です。
ニコニコやUstreamでの新しいコンテンツのアイデアを一つ。
池田先生を始め、ネット論壇に登場されるような先生方がそれぞれの専門分野において、(例えば)学生さん達に対して、昨年から流行りだしたサンデル教授のような授業をされる、というのはいかがでしょうか?
テレビ番組で、見る価値があるのは、
・ニュース(民放の多くにある偏向報道を除く)
・スポーツの生中継(録画ではなく)
・NHKスペシャルの一部などの良質なドキュメンタリー
だけですね。
視聴率を稼ぐことしか考えていないような悪質な番組は、見ていて、「馬鹿にされている」ということが分かってしまうので、不快感に耐えられず、すぐにチャンネルを変えてしまいます。
最近残念なのは、スポーツの番組でも、F1、フィギュアスケート、ゴルフなどで、録画放送が多いことです。
スポーツは、生中継であってこそ、リアルタイム(録画ではなく)で観る価値があるのに、まるで生中継であるかのようなヘタクソな演出をしながら、録画放送をするのに、ウンザリします。
例えば、フィギュアスケートなどは、日本で試合が開催されていて、2時間以上も放送する場合でも、録画中継です。少しでも視聴率を稼げるように編集・小細工をするためです。また、多くの民放が、某広告代理店の言いなりになって某韓国人選手を持ち上げるような演出・編集をするために、わざわざ録画放送をしています。
少しでも、視聴者が求めているものを、考えてほしいものですね。
> 横並びでゆっくり沈んでゆく
ここにポイントが有るように思います。放送業界の人もホントはクリエイティブなことしたいんですよね?正直、疑ってしまいますが・・・
個人的には地上波は地方主体でやり、キー局はBSを主体で新しいことをどんどんやればいい、と思っています。BSは横並びする必要ないですよね?
テレビを見ているように見える中高年の専業主婦だって、見ているのは日本のテレビじゃなく韓国ドラマです。
田舎の両親は、テレビをつけっぱなしにしています。
大画面に没頭していると、感情を代弁してくれてすっきりするようです。
爆笑や激怒の繰り返しが、彼らの虚無を埋め立ててくれるようです。
病院のリハビリ病等の大部屋にも、
一人一台、テレビは設置されています。
程度の低い番組であっても、
彼らの不安を一時的に忘れさせるとすれば良い事かもしれません。
テレビには、こうした福祉的とでもいうような側面があります。
3Dやネット対応といったハイスペック化ではなく、
福祉設備として、多数派である老人達の精神を
癒す装置として、テレビの可能性というのはありませんでしょうか?
・・・ということは、低レベルな視聴者にとっては、自分のレベルに合った番組の選択肢が増えた、ということでしょうか?電波をムダ遣いしているのは問題ですが、それならそれで 悪いことでは無いように思います。まともな人は、どうせ観ないのですから。
あと、その中でNHKの立ち位置はどうなるのでしょう?「我が道を往く」で良い番組を(外注や海外からの購入で)作り続けている面もありますが、民放に歩調を合わせてレベルを下げている部分が多いように思います。
お正月NHKのドラマは割と見応えがありました。
一方、民放はパチンコ/パチスロのCM量の多さ+相変わらずのタレント馬鹿騒ぎが目立ちました。
背に腹は代えられないとは言え、ここまで劣化していたとは・・・ねぇ
年末に、例の池上さんの番組がついていたので少し見たのですが、あれはあれでいいと思いましたよ。
知ってることも多かったのは確かです。
しかし、テレビというのは集中してじっくり鑑賞するものでは必ずしもなくて、おしゃべりの合間に見たり、晩酌してリラックスしているときに観たりすることもあると思うんです。
つまり、あまり集中力を要求しないためには、あれくらいゆっくりしたテンポのほうがいいと思います。
ひとりでいるときの暇つぶしとしてはやや不満ですが、家族団らん時の、話のネタの供給源としては悪くないかと思います。
テレビの停波が行われる今年はテレビ業界としても何がおこるかわからない訳ではないと思います。ですが、目の前の問題を解決することが急務でそれどころではない。そう見えます。
停波後はテレビを見ないことにしています。情報の入手方法としてテレビはそれほど重要ではありません。十分とはいいませんが、ネットでかなりのことはできます。
ですが、ネットの情報にはノイズが非常に多いです。前々からネットの情報に触れていてノイズの多さに慣れていないと、いきなりこの世界に入ることはできないでしょう。そういう意味ではテレビの情報のフィルタリングは必要なのでしょう。
ある意味での2極化は避けられないでしょう。中高年のテレビ、若者のネット、こうなるのではないのでしょうか。そして民放も放送局の再編は避けられないでしょう。需要が減れば供給側も減らさざるを得ないのですから。
テレビを見る時間は、年収に反比例しています。
収入の多い人は就労時間が長い上に、テレビ以外の娯楽も沢山あるからです。
テレビが貧しい人間の娯楽になれば、
この記事に書かれているようにレベルはどんどん低下しますし、
それに伴ってテレビの宣伝媒体としての価値はどんどん下がっていくでしょう。
老人もテレビを見ていて、彼らは必ずしも貧困層ではありませんが、
CMを認知し、企業名を覚えて買いに行くという消費行動を起こす確率が若者よりも低いため、
視聴者の高齢化は間接的にテレビの宣伝媒体としての価値低下につながるでしょう。
今のテレビは、番組のレベルが低くなると同時に、
CMの内容も貧困層向けのものに変わってきています。
(無料オンラインゲームの宣伝など)
テレビの低レベル化が
テレビの宣伝媒体としての価値の低下につながり、
それがテレビの終わりの始まりになるのではないかと感じています。
あなたはアナログハイビジョン失敗で数千億円もの税金をドブに捨てたトラウマがまだ消えないのか、
やたらとアナログテレビをゴミにしようと方々で嘘をついていますね。
数千円で市販されているチューナを付けるだけで
アナログテレビでも地デジを視聴できます。
この程度の事も知らないのでは「池上彰を上から目線で批判している」と言われても仕方ないでしょう。
仲間内ではお山の大将なのかもしれませんが、一般市民に有益な情報をわかりやすく発信している池上彰の方が、少なくとも社会に貢献しているでしょう。
少しは見習って欲しいです。
ここ数年全然TV見てないですね~。3h/weekくらいです。
TVは暇な人がぼーっと見るのにいいんじゃないですかね。お笑い番組も自分から馬鹿を演じながら見ると一応楽しめます。
忙しい人ほど能動的に情報を得ようと行動するため、合理的に情報を選択できるインターネットを使いますよね。これをテレビでもできるようにすればまだ見るかも。最低でもテレビはオンデマンド化しないと生き残れないと思う。まぁ最近はHDDに録画して擬似オンデマンドしてるけど。
視聴率以外の評価基準を認めない民放ほど、歴史に学ばない人たちの滅び行く様を分かりやすく示しているものはない。そして、官僚機構と同様に、一人ではシステムに太刀打ちできないことも。それにしても、ようやく賃下げに踏み切るようだが、バブル期から近年までの民放は、明らかに躁状態であった。私としては、せいぜい使いまわしであるものの良質な衛星放送の世界紀行ものを楽しむだけである。