年齢層からみた国会議員というお仕事 --- 伊東 良平

アゴラ

封建党、君主党、バラマキ党の戦いは、封建党の圧勝に終わったが、日本国政府は1000兆円近い多額の借金を抱えており、将来に増税、インフレ、公的年金カット、のいずれかを選ばなければならないという意味で、政策の選択肢は極めて限られている。誰が議員になっても、国民皆が幸福になる政策を実行することはできなくなるだろう。そのことを国民が理解し始めたため、投票率が戦後最低になったのかもしれない。


ところで、当選者の年齢層は、各政党で偏りがあるだろうか。下記は、今回の衆議院選挙で当選した国会議員の、年齢層/性別ごとの人数である。

代議士の平均年齢は51.8歳、中間(メジアン)は51.2歳であった。65歳を超えると議員数が大きく減り、70歳を超える議員は少ない。自民党の安倍総裁は平均から6.2歳年上になる。

政党ごとに特徴があるかと思えばそうでもなく、代議士は中年のオジサンの仕事、というイメージが定着しているようだ。自民党に65才以上のお爺さんが多く、任期中に健康上の理由から議員を続けられなくなる人が増えないか、少々心配である。女性議員の割合は全体で5%で、政党ごとに大きな違いはない。率でみれば共産党と未来の党の女性議員率が高いが、議員の絶対数が少ないので比較にはならない。

これを国全体の人口ピラミッド(日本ではスフィンクスと化している)と比較すると、大きな違いがある。高齢者は”年下”の候補者を、団塊ジュニア以下は”先輩”の候補者を議員に選んでいるようだ。

だからなんだ、と言われればそれまでだが、当選者の年齢層から国会議員という仕事の中身がある程度見えてくる。

思えば、国会議員という仕事は、資料読み、会議、討論、式典・懇談会出席、挨拶周り、街頭演説、陳情受付、などをひたすら繰り返す、ハードなものだ。ちょっとした私的なトラブルがあるだけでスキャンダルにされるプライバシーのない仕事でもある。このような仕事は、好きでなければ務まらない。国会議員を続けるために必要なものは、さまざまな政策を立案し適切な政策を選択する、明晰な頭脳ではなく、定められたスケジュールを他人の力も借りながら淡々とこなす、強靭な体力であろう。

そう考えれば、50歳前後の男性が最も向く仕事であることも理解できる。大企業なら課長さん、中小企業なら部長さん、くらいの年齢であろうか。代議士という”職業”を淡々とこなす「サラリーマン議員」が世の中から求められているならば、当選する議員も似かよってくるのだろう。国会議員の報酬は一般公務員や民間企業の職員と比較して高いため、議員のなり手がいなくなる、ということはないだろうが、国民にイヤなことを押しつけ、他人から尊敬されない仕事をするという意味で、国会議員は辛い職業である。

余談になるが、国会は国権の最高機関であり、衆議院は、政府が提出する国債費を予算承認しない(財政破綻)という権限も持っている。これを行使するくらいの胆力が議員にあるならば、日本の”再生”も早いのかもしれない。

伊東 良平
不動産鑑定士