エロティック・キャピタルの効率的な運用のススメ

2013年は、エロティック・キャピタルなる「資産」を積み立てて、効率的に運用できるなることを目標の一つにしようと思いたちました。最近購入したカリスマヘアスタイリストのヴィダル・サスーンの伝記的DVDを観ているうちに、そう思ったのです。思ったついでに、ここで宣言しつつ(有言実行で自分を追い込みつつ)読者の皆さんにもご一緒に同じ資産運用を目指してみませんか?といつ次第です。

エロティック・キャピタルという言葉自体は、どこかの雑誌でみかけたのですが、詳しく覚えていません。ただ、1年くらい前の『エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き(キャサリン・ハキム著。共同通信社)』という書籍が元々の出典であることは間違いがないようです。

実は僕はこの本を読んでいないのですが(読もうと思ってはいるのですが、Kindleストアでまだないので、買い控えています)、その意味するところは、人間が持つ魅力、特に性的な魅力が経済的価値を持っているという洞察であり、その魅力を最大活用することで社会的な名声や富を得ることができるならば、それはキャピタル(資産)である、というものです。つまり、エロティック・キャピタルは運用できる、あるいは運用するべきものだということです。

エロティックキャピタルそのものを具体的に言うと、美貌とメリハリの効いた体型、そして服装のセンスや魅力的な声や所作など、主に見た目に現れる性的魅力です。そのため、男性より女性のほうがより効率的に運用できることは、言うまでもありませんが、同じアイデアを持ち込んだ同等の能力がある起業家が、失礼ながら温水洋一さんと福山雅治さんだったら、男の僕でさえ福山雅治に投資してしまう気がします。顔がカワイイ、スタイルがいい、背が高い、声に艶がある、などの外的なポイントは内なる才能に比べると高い評価をつけることがはばかる風潮がありますが、実は少しくらいの頭の善し悪しよりも大きな”資産”として認めるべき、なのかもしれません。少なくとも僕は、ミニスカートから伸びる長くて美しい脚には、Wikipediaで調べられる程度の知識ではとうてい太刀打ちできない、という真実を甘んじて受け入れようと思います(笑)。

いや、実はそれは冗談でなく、本当のことです。一目みて分かる、というのは本当に大事な要素です。起業家として、企業に属するビジネスパーソンとして、社会的成功を考えるのであれば、何事でもシンプルに分かりやすく、ぱっとみて良さが分かるような仕掛けを常に考えていかなくてはなりません。Appleの元エバンジェリストのガイ・カワサキは「良い製品はポルノと同じで、一目でその魅力が分かる」と書いていますが、すらっとした美脚のように分かりやすい魅力をどうやって作るかを、対象が何であれ、常に考慮することが大事です。そのためには、会社や製品だけでなく、自分自身を磨いて分かりやすい魅力を少しでも身につける努力も必要なのだと考えます。

実際、最近急成長している、デザイングッズのセレクトショップ的ECを運営するベンチャー企業Fabの共同創業者のブラッドフォード・シェルハマーとジェイソン ・ ゴールドバーグは、共に毎日のようにジムでワークアウトやジョグをしてカラダを鍛えているそうです。同時に、なるべくスタイリッシュな格好やライフスタイルを送るようにして、少しでも目立つことを考えるといいます。彼らはその理由として「頭が冴えていたいのであれば体型を維持しろ」と言っていますが、それ以上に彼らがゲイであり自分(とパートナー)の体型に対する強い美意識の顕れがあると僕は思います。Fabは美しく楽しいデザインに特化したキュレーション型のECであり、良いデザインを見極める美的感覚が命の会社です。だから経営者である彼らにとって美意識は重要な経営センスであると同時に、その会社を率いる自分たちも美しくあるべきだと考えているのだと思います。

日本人の女性は世界で最も魅力がある、という統計結果をよく見ます。逆に日本人男性ははっきりいって最下位に近い体たらくです。つまり日本人男性はエロティック・キャピタル上最貧国なんだということです。英語を身につけると同じ熱意で、エロティック・キャピタルを蓄積し運用することを考えなければなりませんね。自分自身をプロダクトとして考えた場合、デザインは重要です。カラダを鍛え、でっぱったお腹をなんとかしなければなりません。肉体こそが製品なのですから。そしてAppleのようにパッケージにもこだわりましょう。僕たちのパッケージとは、服であり髪型であり、靴であり名刺でありバッグでもあります。

できることからはじめてみましょう。まずは5キロ体重を落とすのもいいし、いままで避けてきた新しい色の服を身に着けてみることからはじめてもいい。エロティック・キャピタルの効率的な運用を心がけて、ライフスタイル自体を刷新し、新たな気分で仕事に当たる。それは決して小さな一歩ではなく、大きな前進につながると考えます。

小川浩@ogawakazuhiro