恐るべきリフレ派たち

小幡 績

しかし。

恐るべき影響力だ。

安倍首相、麻生大臣、甘利大臣が、経済財政諮問会議の場で、日銀の白川総裁へ、明確にインフレ率2%という目標を共有せよと要請したとのこと。

ロイターの報道では、卒倒するような具体論に踏み込んだ要請だ。

前代未聞だ。

2%という数字を。

金融素人の政治家たちが。

専門家の英知を結集するために、税金を投入して作り上げた組織の。

意見も情報も何も聞かずに。

どっかの誰かの意見を鵜呑みにして。

日本経済を売り動かす、いや揺り動かすために。

使う。

じゃあ、日銀をなくしたらどうか。


池田氏も議論しているが、首相が自らの考えでインフレ率の数字を決める。

これはあり得ない。

英国の例を持ち出して、英国は政府が数字を決めて、中央銀行にその数字を与えているというが。

それは、政府に、妥当なインフレ率を分析するスタッフを抱えているから。

専門的な分析を終えて、それを与えているということだ。

今の日本では。

安倍さんが、自分で突然持ち出した数字だ。

ブレーン?

ブレーンって誰だ?

責任取れるのか?

安倍さんの単なる思い付き、直感なら、まだ、彼が責任を取って、辞任すればいい、という議論は成り立つ。

正しい議論とは思わないが。

しかし、安倍さんが、どっかの誰かに聞いてきた数字が2%。

恐ろしい。

しかも、一流メディアも。

金融関係者のうち、投資家達、そっちサイドの人々は。

企業経営者たちも。

多くの国民も。

この議論を支持している。

恐ろしい国だ。

おそるべき子供たち。リフレ派よ。