ここ数年、政府で成長戦略づくりが乱発されてる。前回の安倍政権でも、麻生政権でも、菅政権でも、野田政権でも、成長戦略作られてさらに今回の安倍政権でも作られた形。普通企業なら戦略って5年単位くらいで作られるものだから、素直に考えれば全部失敗してるんだけれど、それでもあいも変わらず作り続けてる。
そんなわけで作っているほうの官僚も「またか……」なんて思いながら、徒労感や虚無感を覚えつつその都度新政策を織り込んでパッケージを作りあげているのが実態だ。かくいう自分も官僚やってる時から「何で毎年のように成長戦略なんて作るのかな~」って思っていたのだけれど、なんだか最近漸く分かって来た。
成長戦略って一言で言えば社会保障制度(ひいては財政)が持続可能であるかのように対外的に見せる為に作っているものなんだよね。逆説的だけど、日本がもう成長しないと思われているから、「そうじゃないんですよ」という体で成長戦略を作って、国債で社会保障費を調達する。
だから実のところゴールは「毎年財源を調達する」ところにあるのであって、達成することが目的になってない。本気で成長を達成しようと考えているわけじゃない。そんなわけできっとこれからも財政がヤバくなればなるほど、社会保障制度の本格的な改革を先延ばしにするために、成長戦略が作られ続けるんだろう。だって社会保障改革なんてしたら票が取れないからね。
そんなわけでこれからも毎年のごとく作られる成長戦略を皆様生暖かく見守ってくださいませ。多分成長戦略が作られなくなったとき(=財政が跳んだとき)、漸く日本の解体的再生が始まりますきっと。ではでは今日はこんなところで。
編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年6月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。