原発のリスク評価について

アゴラ編集部

松本さんの抗議にお答えします。今回の措置は、彼がメンバーとして投稿するアカウントを削除しただけで、投稿はできます。彼の記事にはこれまでも問題が多かったのですが、こういう毛色の変わったのもあったほうがいいと思って掲載してきました。しかし今回の投稿は、きわめて初歩的な誤解を繰り返すもので、放置できません。


たとえば石川さんの新著は、山城さんのような「原発で電力会社がつぶれる」論の誤りを指摘して、リスクを確率的に考えることを提唱しているのに、山城さんは確率の概念を理解していない。

いまだに「再稼働を急ぐべきや」てな不思議なことをおっしゃる方がおられる。「やらんと日本経済がもたない」というのが理由やそうやが、やったら、もっと「もたない」やろ。事故時の補償を考えたら、今の原視力発電は経済的に合わへんことが明白やからや。

という彼の話は、福島第一と同じような原発事故が確率1で起こると想定していますが、普通はそういう想定はしません。損害は確率で割り引くので、保険料がその期待値に相当すると考えてもよい(世界の保険会社が原発の保険を引き受けていないという山城さんの話も事実誤認)。それは特に大きな額ではなく、すべての原発が運転すれば1円/kWh未満です。

今回の震災で最大の被害を出したのは津波なのだから、同じような震災が確率1で起こると考えるなら、日本の海岸から20km以内は居住禁止にすべきです。なぜ原発だけが、こんなわずかな確率のリスクのために全面停止という莫大なコストを払うのか。こういう原発恐怖症を克服して合理的なリスク管理を提言することがアゴラの目的の一つなので、注意しただけです(完全な事実誤認は削除します)。投稿は(実名で)今後も自由です(掲載するとは限りませんが)。