SNS創世記に一世を風靡したmixiが、凋落し始めてからアレヨアレヨという間に坂を転がり落ちる有様を露呈しています。IT系は浮き沈みが激しい業界、とはいえ、ちょっと前まで飛ぶ鳥を落とす勢いだった企業が尾羽うち枯らしていく様子を眺めていると、世の中の無常を感じさせずにはいられません。とうとうmixiは、LINEから「YYC」なる「マッチングサービス」いわゆる「出会い系サイト」を買わなければならないような体たらくになってしまいました。
今、もっとも調子のいいIT系サービスはどこでしょう。YYCを売っ払ったLINEは、明らかにその代表格です。SNSなんて存在さえ知らない小中学生が、クラスの仲間や友だちたちとのやりとりにSNSサイトを使い、アプリで遊んでるうちに課金を始め、出会い系めいた掲示板の存在を知り、大人たちが仕掛けたネット上の「罠」に引っかかっていく。相も変わらず繰り返される構図です。
新しい技術やガジェットが出現し、それが好奇心豊かな若年層の間に広まっていけば、そもそもそれを使ったビジネスモデルを考え、用意している側からすれば、まさに飛んで火に入る夏の虫です。悪意を持って想像するならば、こうしたサイトやサービスの開発当事者は、マスメディアが騒ぎ、行政当局や保護者、官憲などの取り締まりが本格化する前に「稼げるだけ稼いでおこう」と考えているのかもしれません。そのためには時間も稼がなきゃならないんで、マスメディアを広告宣伝費で抱き込んでおく、というわけです。
もちろん、出会い系事件やコンプガチャ騒動などにより、ソーシャル系サービスの危険性は大きくクローズアップされ、無知なユーザーを半分ダマして荒稼ぎ、というようなことはなかなかできにくくなっています。その結果、最近は保護者が気づかないようなギリギリ少額の課金システムで切り抜ける、という薄利多売系に移っている。SNSのスタンプや課金ゲーム、アバターなどはその典型でしょう。
一方、出会い系掲示板を利用した未成年援助交際などは、SNSサービスという特徴上、なかなか自主規制はできません。そんなことをすれば、提供側は自縄自縛になってしまいます。せいぜい既存の「マッチング」サービスを他社へ売っ払い、イメージを上げるくらいしかやることはない。そもそもソーシャルゲームは、表題記事に書かれているように大勢で遊ばないと面白くありません。不特定多数が自由に出入りできるバーチャルな空間を提供することこそが、こうしたサービスの真骨頂。なので、そうした空間を利用する出会い系犯罪などは、イタチごっこのように永遠になくならない、というわけです。
いずれにせよ、YYCの買収に象徴されるように、mixiの内情は「背に腹はかえられない」状況になっているようです。mixiはかつて「足跡機能」を停止したように、サービスから「出会い系」のイメージを払拭させようと躍起になっていました。しかし、ユーザーの要望で同機能を復活させている。「出会えない」し「料金も高い」YYCなんかを買収するより、ユーザーの「目的」に合致するように本体の機能を「向上」させたほうが、より発展的だと思うんですが、貧すれば鈍するとそんな考えは浮かばないようです。
キャリコネ
LINEのゲーム課金に限界アリ? ゲーム好きでない「リアルグラフ」の問題点
昭和30年代風漫画の作り方
Y氏は暇人
コレ、昭和30年代風、というより戦前っぽい感じがします。しかし、こうしてコダワリのあるものを作るのは楽しそうだ。日焼けした紙の雰囲気をどう出すのか、とか、インクの色を青っぽくするとソレらしくなる、とか。ほのぼのとした感じです。
Climate change: Polar bears change to diet with higher contaminant loads
PHYS.ORG
気候変動がホッキョクグマの生態にどう影響しているのか、についての研究を紹介している記事です。温暖化で北極海での氷床は、1年に約1%ずつ減っているらしい。にもかかわらず、研究者たちが、ホッキョクグマの体脂肪の組織を調べた結果、彼らの食生活にはそれほど大きな変化は起きていなかったことがわかったそうです。ワモンアザラシやアゴヒゲアザラシなどを捕食するんだが、どのアザラシ類を食べるのかの割合は変わっていても栄養状態は良好だった、とのことです。
この一ヶ月はてな匿名ダイアリーで釣りをして分かったことまとめ
元トピ職人の釣り解説
掲示板やネット相談欄などに、架空の感動話や珍談奇話、嫁姑話などの興味深い書き込みをし、読者を引っかけるのを「釣り」といいます。偶然が重なってあまりにもできすぎた話や、あり得ない出来事を、あたかも真実のごとく語るわけで、読者のほうも引っかからないように身構え、よく書き込みを「釣り認定」したりして防衛する。できすぎの話を釣り認定され、投稿者が必死になって否定する、という微笑ましい光景が今も巨大掲示板のあちこちで繰り広げられています。このブログは「釣り師」が「釣り記事」を投稿し、その飯能を分析する、というもの。世の中の人はみな、リアルもネットも他人の家庭内のゴタゴタが好き、というわけです。
Windows XP、Vistaから乗り換え、Windows 7と8のパソコン(OS)どっちがいい?
WEB2.0とパソコン講座
XPのサポート終了でWindowsを使っている企業は大変です。頻繁なOSのアップデートやセキュリティ強化によるプログラミング変更などの影響で、ただでさえ使い勝手が悪い。ファイアーウォールもOS準拠なので、OSが変わるとシステムを大規模に変えなきゃなりません。そのコストは莫大です。Windows8になっても会社のセキュリティが7のまま、というところも多いでしょう。アキバへ古いPCを探しに出かける人も後を絶たない。このブログでは「早くしろ」と急かしています。タブレットでもいいのか。悩ましいところです。
アゴラ編集部:石田 雅彦