ウォール街はデフォルトの準備着手、マーケットは長期戦も視野 --- 安田 佐和子

アゴラ

米証券業金融市場協会(SIFMA)は、アメリカがデフォルトにいたる日に備えて準備を開始しました。何百もの銀行、証券会社、資産運用会社を代表するSIFMAは、Xデーを控え取引プラットフォームでデフォルトした米国債を含め取引を継続できる計画を用意したといいます。SIFMAのマネージング・ディレクターであるロブ・トゥーミー氏が発言した内容を元に、ロイターが報じてました。

ただし、いくらSIFMAが準備万端に米国債デフォルトという最悪の日を迎えたとしても、米財務省が重要な仕事を果たさなければ市場が世界恐慌に陥ったような混乱に陥るリスクが横たわるんです。

米債務の上限である16兆7000億ドルには、ご存知のように17日に到達いたします。問題は、17日ではないんです。

肝心なのは、16日の夜。トゥーミー氏によると、米財務省が米東部時間午後8時まで告知しなければ、システムはデフォルトしていないとみなし通常通りに処理してしまうんです。

ルー米財務長官に、丸くした目が真っ赤になる激務が待つ?

そうなると、実際はデフォルトとなる米国債がシステム上から消えてしまい以降は売り買いはおろか、担保対象としても機能しなくなるんです。16日の夜に告知が必要であるのは、17日を迎えた東京市場で米国債が取引されてしまうからですね。

10月31日償還のTビルはおろか、11月14日償還の利回りも急騰中。デフォルトの長期戦を見据え始めています。マーケットは着々とデフォルトヘ向け準備を整えつつありますが、金利上昇、株価下落、ドル売りをはじめ市場の混乱は避けられず。デフォルトした場合のシミュレーションは、こちらをご覧下さい。

以下は、償還・利払い・その他支払いスケジュール

(出所:ゼロヘッジ


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年10月7日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。