無人機の攻撃で400人以上死んでしまったわけだが --- うさみ のりや

アゴラ

尖閣にも飛来し、そろそろ実戦に投入されるのも珍しく無くなってきた無人航空機ですが、タイトル通りなかなか衝撃的なニュースが流れてきました。

<米英無人機で4百人超死亡 国連、市民被害を報告:2013.10.19 10:57 [米国]>

国連は18日までに、米英両国やイスラエルの無人機攻撃による各国市民の被害に関する報告書を公表、パキスタンで2004年以後市民400人以上が死亡し、アフガニスタンでは10年以後58人が犠牲になったとの調査結果を正式に明らかにした。パキスタン政府の同意がないのに米国が無人機攻撃を行うことを主権侵害とあらためて批判、米国が安全保障上の理由で攻撃に関する具体的情報を公表しないことも容認できないとした。
 報告書は対テロと人権の関係を担当する国連のエマーソン特別報告者の調査に基づいて作成された。同特別報告者がことし3月パキスタンを訪問し同国外務省から提供を受けた資料では、04年以後少なくとも330回の無人機攻撃があり、死者総数は2200人以上、うち400人以上が市民で、さらに200人以上が非戦闘員である可能性があるという。(共同)

無人機は人が乗らないため設備を極限まで削減できるので有人機に比べると抜群に省エネ・安価(マルチロール機一台の相場は10億円前後と言われており、第4世代戦闘機の1/10程度の水準)ですし、それに加えて長時間飛行(プレデター(写真)は40時間飛行が可能)できるので運用思想として、前線基地の哨戒負担を減らし、海軍基地の縮小も可能となります。攻撃面では、特にテロ掃討戦では無人機は威力を発揮していて「アフガン、イラク、パキスタンなどでは無人機で先制攻撃を仕掛けて、その後特殊部隊が乗り込んで制圧する」というパターンが確立しており、それが今回の報道につながった模様です。

攻撃する側にとっては誠に都合がよく、攻撃される側に取ってはたまったものではない無人機ですが、テロ掃討線でこれほど使い勝手が良い武器の使用を制限するルールをアメリカが飲むとはとても思えないので、今後ともこのようなケースが遺憾ながら広がっていくのでしょう。問題は無人機よりも、テロにあり、といったところでしょうか。

ちなみに現在のところ国対国の戦争では無人機はまだ使いものにならないと考えられており、2012年にはアメリカの無人偵察機がイランにサイバー攻撃でのっとられて回収されるというマヌケな事態が起きています(http://www.afpbb.com/articles/-/2915218)ちなみにイランは無人機の開発は世界トップレベルです。

そんなわけで世の中では中国の無人機を撃墜するか否かの議論で盛り上がっているようですが(http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economic_exchange/362102/)、ここは中国の挑発に応じずハッキングで無人機を接収する作戦を考えていただければと思っております。これだけオタクが多くて技術水準が高い国ですので、技術的には出来ないということはまず無いので、あと日本に必要なのは事前の情報を入手するスパイの養成ということになるのでしょう。ちなみに私がスパイとして押したいのはもちろんこの人物です。彼女のハニートラップなら中国人はいちころでしょう

(http://j.people.com.cn/94475/7595680.html)

そんなわけで我が国が誇るクールジャパン産業(笑)を安全保障に生かす術を防衛省もきっと検討しているはず、、、、なわけないですね。いずれにしろ幸か不幸か中国との小競り合いを避けるためにはスパイが必要な時代になってきた事は間違い無さそうなので、この辺の議論をこっそり追い続けていきたいと思います。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年10月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。