なんか公明党が留学生を増やしたいとか言ってて、文科省がその流れに乗って留学向けの奨学金を大幅拡充させるみたいなこと言ってて「はいはい、グローバルマッチョ」と思ってるんだけどさ、そういう人達って送り出した留学生が日本にコミットして活躍してくれるとでも思ってるのかな?
僕は別に経済のグローバル化を否定するわけでもないし、周りにいる人って留学経験者が凄い多いんだけど、そういう人達の結構な割合って「もう日本なんかダメだ」と思ってるんだよね。それは感覚として正しいし、企業経営もますます海外市場に向いていく流れも覆せないことも完全に同意する。この国の将来って本当に絶望的だからね。ただ「そういう時代に棹さすのが政府の政策なのかな?」と思うわけです。逆じゃないの??って。
それって一昔前の都会と地方の構図と一緒だよね、そしてかつて都会に期待を持って学生を送り出した地方経済がどうなったのかってことを考えてみれば、勢いのある国に人を積極的に送り出したら結末がどうなるか答えは明確だよね。地元を担ってもらう明確なビジョンとコミットがあった上で人を送り出さないと、人は景気がいいところに流れるんですよ。もう地方経済なんて目も当てられないからね。30~40年前に地方の教育は盲目的に都会に人を送り出すんじゃなくて、衰えゆくであろう自分たちの地域で新しいエコシステムを作ってくれる人を育てる戦略を持つべきだったんだよね。今の日本も一緒。
留学した方が生涯収入が上がるんだから、別にほっといても留学生なんて増えていきますよ。奨学金で留学を支援なんて、市場原理ってものを軽視し過ぎ。韓国見ればそれはわかるでしょ。学生時代にヨーロッパを数ヶ月旅したんだけど、その時韓国人の人達が皆、「いかに自分たちが国の未来が絶望的で、国に戻りたくないか」ってことを、本当にみんながみんな、熱弁してくれましたよ。文科省は日本をそういう国にしたいのかな??
英語力を上げたいんなら普通に考えれば老朽化した大学の先生たちをがさっと入れ替えて、秋田の国際教養大学みたいに日本にいながら英語でコミュニケーションできる能力を育てるべきだと思うんだけどね。そしたら日本に来る留学生も勝手に増えますよ。留学しなきゃ英語を身につけらんないって状況を変えることが今求められてんじゃないでしょうか。繰り返しになりますが、その土地へのコミットを無くしたら人は勢いのいいところに流れていくものなのです。
ではでは今回はこの辺で。
編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年10月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。