地方のバスやタクシー産業は自動運転技術で壊滅するのかもしれないな。 --- うさみ のりや

アゴラ

イギリスのmilton-keansというロンドン郊外の町で自動運転技術により制御される異動ポッドが2015年から大量導入されるそうです。駅回りのショッピングセンターに限定された空間ですが、ものはこんな感じで、利用者はスマートフォンアプリで2ポンド(≒300円)でポッドを呼び出して目的地を指定すると自動で目的地まで案内してくれる感じです。

とりあえず2015年の導入当初は歩道とこのポッドが走るレールは物理的境界を作って分けるそうですが、技術的にはセンサーが事前に衝突を避けるように出来ているので、将来的には歩道とポッドが走るレールを統合することも視野に入れている模様です。歩道の自転車用レーンみたいな扱いになる感じですかね。

ポッドも既にヒースロー空港では実用化しているようで、これまでの自動運転の実証実験に比べるとコンセプトもかなり筋がいいように思えます。googleのカリフォルニアでの自動運転技術での実証実験は「事故無しでの長距離運転」に成功し比較的上手くいったようですが、そもそも既存の車を自動運転で走らせようという外観やコンセプトに無理を感じてしまいます。人が運転する自動車と自動運転っで走る乗り物が同じレベルで存在する空間というのは、事故が起きたときの責任論を考えるととても相性が悪くて実現性に欠ける気がします。

それよりもある程度エリアやレーンを限定して、町の中核部で高齢者が利用するようなバスを上に掲げたような新しいタイプの乗り物が代替するというストーリーの方が実用性があるように思えます。(その辺の問題は十分google様も認識して手を打っているのでしょうが。)日本でも既に地方ではバスは大赤字でマトモに機能していないので、このような小ロットでの移動手段が確立すると、タクシー共々産業として壊滅するような気がします。が、別に放っておいても赤字が続いて壊滅することが見込まれるので、思い切って地方の自治体・交通機関の責任者の方にこのような技術を導入する決断をしてほしいところです。

未来は既に始まっているんですね。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年11月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。