日本は無人機開発に舵を切った方が良い気がする --- うさみ のりや

アゴラ

自衛隊が2015年度に無人偵察機RQ-4「グローバルホーク」を導入するという噂がちらほら聞こえてきます。

RQ-4は無人機の特性を生かした偵察機で、飛行高度が高い(最高上空2万メトール)ためミサイルでの撃墜が難しく、広い範囲を紹介する事が可能で、かつ目的に機能を特化させたため長時間の飛行(40時間)が可能で経済的、などの利点を持っています。お隣に北朝鮮という国がある以上、この手の無人偵察機を導入するのは日本に取って不可欠なように思えます。ちなみに今年一時期北朝鮮がミサイルの発射を臭わせていた時は、青森の三沢基地に米軍グアム基地の3機のグローバルホークの内1機が緊急配備され北朝鮮を監視をしていた模様です。他国の軍事資源に偵察を頼るようでは安全保障は心もとないので、自前の設備として導入するのは自然な流れでしょう。

さらには尖閣諸島がらみもあり、南方のヘリが出ずっぱりということで、無人ヘリMQ-8ファイアースカウトの導入も検討されているようです。

中国が加速度的に軍拡を進める中で、今後少子高齢化と予算制約とで思うように人員を増やす事が出来ないであろう自衛隊はこうした無人機を効果的に活用することでしか広い海洋を哨戒し続ける事は出来なくなることでしょう。その意味でこうした配備の方向性は極めて自然なことのように思えます。他方で残念に思うのは日本にはヒロボーヤマハや富士重工といった農業用無人ヘリを運用しているメーカーがあるにもかかわらず、そうした力を上手く活用しきれていないところです。

一応自衛隊では富士重工の農薬散布型無人ヘリを改造する形で遠隔操縦監視システムを運用しているのですが、予算も開発コンセプトも中途半端で正直MQ-8なんかに比べると中途半端で「う~ん、位置づけが分からない」と悩んでしまうわけで、それもあってMQ-8の導入が検討されているのでしょう。なんだかもったいない。どうやら国産戦闘機F-2の調達の終了もほぼ確定のようですし、そちらで培った技術は性質は異なりますがMRJに引き継がれるようなので、防衛政策という観点ではF-35のライセンス生産に期待するよりも、そろそろ日本も無人機の国産化に舵を切った方が良いのではなかろうか、となんとなく感じています。そちらの方が長期的には日本に取ってより重要なんじゃないだろうかと。

今日は考えがまとまらずとりとめの無い話でしたが、この辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年11月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。