無人配送システム冬の陣、グーグルも本格参戦 --- 安田 佐和子

アゴラ

映画「ブレードランナー」の時代設定、2019年まであと約5年。人類は、ロボットを身近に実用化する試みを続けています。アマゾンが火をつけた無人型の配送戦線も、苛烈さを増してきました。

グーグルは13日、ロボット開発会社ボストン・ダイナミクスの買収を発表したんです。グーグルにとっては、足元6ヵ月で8社目のロボット製造会社の取得となります。金額などの詳細は不明。ボストン・ダイナミクスは、米軍と戦闘など軍事利用を目的にロボット開発で足並みをそろえてきた会社です。

グーグルの意図は明らかにされていないものの、ボストン・ダイナミクスがそろえる「ビッグドッグ(BigDog)」、「チーター(Cheetah)」、「ワイルドキャット(WildCat)」を通じ、倉庫管理から包装・配送といったシステムの構築が可能になることは間違いありません。

ビッグドッグというよりは、下だけエガちゃんにみえるのは私だけ?

(出所 : specialtyfabricsreview

無人機の配送といえば、アマゾンは7億7500万ドルをロボット開発会社キバ・システムズに投資しました。ホリデー商戦の最中である12月2日には、CBSの著名番組「60ミニッツ」にベゾス最高経営責任者(CEO)自らが出演し、タケコプターを思わせる無人小型機での空輸配送でウェブサイトで同案を発表したのは、記憶に新しい。ドイツ・ポストも9日に無人機配送の試験飛行を開始しており、配送大手を中心にロボットを通じた事業改革が進んでいます。そういえば配送大手以外だと、ドミノ・ピザも乗り込んできました。

ドイツ・ポストの小型機、アマゾンと比較して皆さんはどちらがお好み?

(出所 : consumerist

数年先の未来に配送システムが企業間でどれだけしのぎを削るのか、はたまた雇用が技術革新のしわ寄せを受けるのか……。テクノロジーが担う未来が、雨の中の涙のように消えないことは確かです。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年12月18日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。