3月6日の日経新聞の地域版の記事によれば、東京メトロ副都心線と東急東横線の相互直通運転によって、池袋の街としての価値が高まっているそうです。
不動産関連のデータ分析会社アトラクターズ・ラボによると、池袋の賃料は昨年から16%上昇し、1カ月、1坪(約3.3平方メートル)当たり約2万9000円になり、2万6000円弱の渋谷を上回ったと報じられています。
池袋には若い女性をターゲットとしてお店が次々にオープン。今までの池袋のイメージを変える流が起こっています。
副都心と言われる東京の3つのターミナルは
新宿、渋谷、池袋というランキングだったのが、新宿、池袋、渋谷という順番に変動が起きたということです。
勢いのある池袋に比べ、渋谷には大きな課題があります。
東横線が東京メトロ副都心線と相互乗り入れを始めてからの、渋谷駅の問題については、私だけではなく、多くの人が指摘しているところです。渋谷駅のホームが狭く、他の路線への乗り換えや地上に出るまでにストレスがかかり、できるだけ利用したくないと思ってしまうのです。
渋谷駅で降りることを極力避けるようになり、どうしても渋谷に行かなければならない時は、車を使うことも多くなりました。
渋谷駅は数年後を目指して、大きく変わる。それまでの過渡期の問題と言う声もありますが、東横線の渋谷駅ホームの構造は変えることはできません。このまま、利用者の数が少なくなり、通過駅になってしまう。そんな「渋谷パッシング」で、駅が空いていくのを待つしかないのでしょうか。
渋谷には、気に入っている和食のお店やイタリアンなど、わざわざ行きたいと思わせるコンテンツがあります。しかし、デパートやホテルが他のエリアに比べて見劣りするという問題もあります。
メトロやJRで簡単にアクセスでき、デパートや専門店、そしてホテルも近くにある銀座や、デパートこそ無いものの、専門店が立ち並び、無料の会員登録をするだけで近隣の駐車場が1時間無料になるカードを発行している丸の内など、ライバルとなるエリアは顧客を惹きつける魅力を持っています。
渋谷が、街として衰退していく前に、東急電鉄と地元の商店街が対策を考え、どんな手を打ってくるのか。全ての施設が完成する6年後などと悠長なことを言っている時間はなく、これから数年が勝負だと思います。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年3月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。