「アイス・バケツ・チャレンジ」はやるべきか? やらざるべきか? --- 内藤 忍

アゴラ

ネット上でここ数日目につくのが、セレブな人たちの「アイス・バケツ・チャレンジ」です。これは、バケツ一杯の氷水を被るチャレンジで、有名人がこぞって自分の映像を動画に収め、Facebookやツイッターにアップしています。

写真はネット上に掲載されているマイクロソフト創業者のビル・ゲイツがチャレンジしている画像ですが、この企画はレディ・ガガやマーク・ザッカーバーグまで参加。アメリカでは、オバマ大統領も指名されたと言われています。


ルールはグーグル先生によれば「バケツに入った氷水を頭からかけている様子を撮影し、それをフェイスブックやツイッターなどの交流サイトで公開、または100ドルをALS協会に寄付する(両方も可能)。その上で、次にやってもらいたい人物を3人指名。指名された人物は24時間以内にいずれかの方法を選択する。ただし、氷水を頭からかけることや寄付をすることが強制ではない」というもの。

このチャレンジの目的は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)研究の基金集めと言われています。7月29日の時点で、すでに1560万ドルが集まったということで、素晴らしいマーケティング成果を上げています。

セレブが楽しくやって寄付金が集まるというポジティブなイベントが流行っているのだなと、他人事のように思っていたら、とある経営者の方から「アイス・バケツ・チャレンジに指名しても良いですか?」とメッセージが届きました。条件反射的に「喜んで!」と返信したものの、その後色々考えてしまいました。

確かに、こんなチャレンジが、難病の研究が進み、原因が解明されるのに役立てばそれだけで意味がある行為と言えます。

しかし、ネット上でも指摘されているように、この仕組みは子供の頃に流行した「チェーンメール」と同じです。1人が3人を世界中で指名する訳ですから、ネズミ算式に指名される人は増えていきます。その流れに安易に乗って良いのだろうか?そんな疑問が湧いてきます。

また、私は寄付という行為には、とても難しい判断が必要だと思っています。その使い道をきちんと調べて、納得してからしなければなりません。このチャレンジの寄付先はどうでしょうか。調べてからチャレンジすべきという気もしています。あまりネガティブには捉えたくありませんが、能天気に自分が参加することに、言葉でうまく説明できない微妙な違和感を感じるのは事実です。

とは言え、せっかくのご指名ですし、タイミングが大切なのも事実。悩む前に、まずは週末にチャレンジしてみようと思います(でも、どこでどうやって撮影するのでしょうか?)。次の3人に指名する方も探してお願いしないといけませんね。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年8月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。