重要な訂正があります。
携帯電話の契約を申し込むと携帯電話事業者側から契約を拒否される場合があります。契約拒否の理由には大きく2つあります。
1,携帯電話料金の滞納がある。
携帯電話事業者間で料金滞納者の情報を共有しているので、どこか一社で料金滞納すると、全社に契約を拒否されるみたいです。この場合、「料金滞納があるので契約できません。」と説明されて、滞納分を支払うと契約できるようになるようです。
2,短期解約などをしたことがある
この場合、「総合的判断により契約できません。」と言われます。「総合的判断って何ですか?」と聞いても全く教えてもらえません。なので本当の理由は不明なのですが、おそらく短期解約を複数回した経験が原因だろうと思われます。
この「総合的判断」をくらった人は「総合的判断 ソフトバンク」などでネット検索すればよく見つかります。ソフトバンクの事例が多いみたいです。
さてここで電気通信事業法の第25条第121条を見てみましょう。
(提供義務)
第25条 基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における基礎的電気通信役務の提供を拒んではならない。2 指定電気通信役務を提供する電気通信事業者は、当該指定電気通信役務の提供の相手方と料金その他の提供条件について別段の合意がある場合を除き、正当な理由がなければ、その業務区域における保障契約約款に定める料金その他の提供条件による当該指定電気通信役務の提供を拒んではならない。
※基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者はNTT東日本とNTT西日本だけなので、携帯電話事業者は2の指定電気通信役務を提供する電気通信事業者に該当します。
(提供義務)
第121条 認定電気通信事業者は、正当な理由がなければ、認定電気通信事業に係る電気通信役務の提供を拒んではならない。
2 総務大臣は、認定電気通信事業者が前項の規定に違反したときは、当該認定電気通信事業者に対し、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
認定電気通信事業者には電気通信役務を提供する義務があり、料金滞納など正当な理由が無い限り契約に応じなければならないわけです。
第25条違反には刑事罰もあります。
第178条 第25条第1項又は第2項の規定に違反して電気通信役務の提供を拒んだ者は、2年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
「総合的判断」が正当な理由とはどう考えても思えないんですけど。(そもそも理由になってないというか何も言ってないに等しい。)「短期解約を複数回した。」というのは正当な理由にはならないと思っているから「総合的判断」と言ってごまかしているのだと思います。
キャッシュバックだけ貰って即解約とかする人が少なからずいるから「短期解約を複数回した。」というのは契約を拒否する正当な理由になるかどうかは議論の余地があるのかもしれません。(個人的には正当な理由にならないと思っています。キャッシュバックは事業者側が任意でやってることであり、それと法律で定められた「電気通信役務を提供する義務」とは別物です。キャッシュバック貰って即解約されたくないならばキャッシュバックを止めてでも「電気通信役務を提供する義務」を守るべきでしょう。)
少なくとも「総合的判断」は正当な理由になりえないと思います。
というわけで総合的判断と言われた人はぜひこの法律を持ちだして、理由を問い詰めてみるのはどうでしょうか。電気通信事業者には契約するか「正当な理由」を明確に述べる義務があるのですから。
※法律的なことで明白な間違いがあればご指摘下さい。訂正します。
追記)ケータイショップは代理店とかなので、ケータイショップが契約するかどうかの審査をやってるわけではありません。理由を聞くなら携帯電話事業者本体に問い合わせる必要があるでしょう。
追記2)ソフトバンク、au、ドコモ、ワイモバイルなどの携帯電話事業者は指定電気通信事業者ではなく、認定電気通信事業者に該当するそうです。(総務省に電話で確認しました。)なので第25条ではなく第121条が適用されます。第121条には刑事罰がありません。よって理由を告げない契約拒否は犯罪行為ではありません。違法行為には違いありませんので、民事での損害賠償請求の対象になる可能性はあります。お詫びして訂正します。