円安は、日本に眠っている観光資源を発掘するチャンス --- 内藤 忍

アゴラ

日銀の追加金融緩和策によって、円は急落しています。気が付けば、1ドル=112円。海外に行くと随分割高に感じるようになりました。

日本人にとって円安は、自国通貨が安くなる「貧民化」ですが、海外から日本にやってくる外国人にとっては、日本が割安と正反対に見えることになります。


最近、東京の不動産がアジアの投資家から注目されています。為替が円安になったことで、価格面で一段と割安感が出てきたからです。香港、シンガポール、台湾といったエリアでは、不動産の利回りが3%以下に低下しており、東京の4%、5%といった利回りは魅力的に見えるようです。また、東京に対するブランドイメージの高さも人気の要因になっています。

不動産投資だけではなく、観光で日本に来る外国人も増えています。日本政府のインバウンド政策もあり、これから日本の主要な産業の1つは、観光になるのは間違えありません。しかし、パリやローマのような観光地に日本がなるためには、戦略が必要です。

例えば、最近出かけた月島のもんじゃストリート。鉄板パフォーマンスが楽しい料理です(写真は、チーズもち明太もんじゃです)。

通りの両側のたくさんのもんじゃの専門店が並び、この通りだけが、もんじゃ焼きの密集地になっています。庶民的で日本情緒が味わえる外国人にも人気のスポットになりそうですが、街全体をテーマパーク化しようという雰囲気がありません。それぞれのお店がバラバラで、店舗のデザインも、お店の雰囲気もバラバラで統一感が無いのです。

一定のルールを作って雰囲気のある街並みを作り、観光地化していくことでより広い客層を集めることができます。さらに、英語のメニュや食べ方の説明、あるいは英語の標識を用意することで、外国人が行きやすい雰囲気を作れば、東京ディズニーランドや横浜中華街のような、集客エリアに大変身するのではないかと思いました。

東京オリンピックを控え、日本はこれから観光地として世界の注目を集めていくことになります。

国内産業の空洞化が問題になっていますが、外国人の日本での観光に関わるビジネスはこれから大きな発展が期待できます。今回の日銀の金融緩和は、その流れにさらに勢いをつけることになると思います。国内にいる日本人の人口が減少を始め、マーケットが縮小している中、これから頼りになるのは、増加が予想される外国からのお客様なのです。

日本国内に眠っている観光資源は、月島もんじゃだけではないはずです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年11月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。