本当に大切なことは「現場の1次情報」でしか得られない --- 内藤 忍

アゴラ

丸の内朝大学マネーコミュニケーションクラスの東北フィールドワーク。今回で5回目になりますが、毎回行く度に痛感するのは、現場を見ることの重要性です。

現場に行くということは、自分の目で事実を確かめるということです。


ネットが発達して、行ったことの無い場所の情報であっても動画で見られる時代になっても、やはり現場に行ってみることの大切さは変わりません。むしろ、世の中に情報が溢れれば、溢れるほど、現場の情報の価値が高まるように思います。

資産運用の意思決定に使う情報として、いつも意識していることは、できるだけ「1次情報」にアクセスすることです。

例えば、日銀の政策について情報を集めたいなら、一番良いのは、黒田総裁や政策委員に直接話を聞くことです。特別な話は聞けないかもしれませんが、声や顔の表情、話の間合いなどが、もしかしたら思わぬヒントになるかもしれません。

しかし、そのような機会はなかなかありませんから、新聞記者が取材した報道を見て、情報収集することになります。しかし、そのような2次情報になった瞬間、情報の密度は大きく劣化します。さらに、その情報を元に作られる3次情報、4次情報・・・となれば、そこにどんな情報が残っているのかは、推して知るべしです。

今回のフィールドワークでも、陸前高田や気仙沼といった被災地の現場に行き、現地の経営者の皆さまからお話を直接聞くことによって、東京にいたら絶対に知ることのできない、貴重な情報を得ることができました。

わずか数時間しか離れていない、同じ日本でもこれだけの情報格差があることに驚きます。

海外不動産のスタディ・ツアーになると、もっと大きなギャップが存在します。フィリピン、タイ、カンボジアといった国に行くと、多くの参加者は日本で描いていたイメージと現地のギャップに驚きます。例えば、カンボジアであれば、「貧困、地雷、ポルポト」、といったキーワードで勝手にイメージを作ってしまっています。日本国内での新興国の報道が、日々の経済成長といったポジティブなニュースよりも、事件や事故といったネガティブなイベントだけに偏っているのが主因です。

ネットで効率的に情報を収集することも重要ですが、1次情報にアクセスすることの大切さも忘れないようにしたいと思います。フィールドワークもスタディ・ツアーも今年はもう終わりですが、来年以降も積極的に開催したいと思います。

自分の固定観念を打破したい人は、是非参加してみてください。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。