ドサクサまぎれに都議会議員のボーナスまで上がるナゾ --- おときた 駿

アゴラ

選挙期間中にお金の話をするのもアレなので控えてましたが、12月10日に都議会議員にも期末手当(ボーナス)が支給されました。

隠すものでもないので、いつも通り晒しておきます。

※過去の給与公開シリーズはコチラから。

以前の記事にも書いた通り、都議会議員のボーナスは
「月額報酬×1.45×1.55」という計算式になっております。


現在、都議会議員の月額報酬は102万円なのですが、私は今年厚生委員会で副委員長に就任しており、その手当がついて月額報酬は103万8千円。

1,038,000×1.45×.1.55=2,332,905円

ここから税金を引かれて、手取りだとだいたい150万円くらいになってるわけですね。

…がっ!!

今回は実は、これに留まりません。

毎年冬の定例会では、公務員給与の条例案が審議されます。(第186号議案:職員の給与に関する条例の一部を改正する条例)

アベノミクス効果によって(?)民間の所得水準は向上したとされ、今回は数年ぶりに東京都職員の給与がUPする条例案が提出されました。

この「民間の所得水準」の算出方法自体、倒産した企業を含めていないなど非常に疑義の多いものでして、消費税の増税などで都民の皆さまに負担をお願いする一方、公務員給与が上がるというのは納得しがたい部分があります。

そしてこの給与の改正に伴い、期末手当(ボーナス)も0.25ヶ月の上乗せで1.8ヶ月分になったんですけど、なぜか都議会議員のボーナスも一緒に連動して増えるという…。

都議会議員の法律的な位置づけは「特別公務員」にあたり、その議員報酬は別の条例で定められています。しかしそちらの条例の中で、

「期末手当については、職員の特別職の規定に準ずる

となっておりまして、棚ボタ的に期末手当が上がってしまうというカラクリです。

これによって今回のボーナスには

1,038,000×1.45×.0.25=366,275円

が12月25日に追加支給され、合計額は額面で250万円を突破する見込みです。

12月1日に職員の給与改定を行うという手続き上、この条例案については議会初日の11月28日に中途議決が行われましたが、

・民間の負担感が増す現状で、公務員給与のUPには疑義があること
・期末手当の増額に、都議会議員が連動するのは制度上不備があること

を主な理由として、「かがやけTokyo」都議4名は条例案に反対を致しました。が、その他120名余の都議会議員は全員賛成で、原案可決となっています。

同時期に行われていた衆院選挙では「身を切る改革」を主張している政党もあったのですが、どうしたのでしょうか…?

川崎市議会では、小田理恵子市議が自身のブログでこんな漫画を自作して公開しておりました。


(「世界よ、これが地方議会だ!」より)

ほんと、地方議会って一体なんなんでしょうね。都議会もずっと休会してた挙句、ボーナスUPですよ…

職員の給与に関しては様々なご意見があると思いますが、連動して議員の期末手当まで変わってしまう東京都条例には、明確に不備があると言わざる得ません(上がるようなことはしてないっ!!)。

※千葉県議会などでは、特別職の期末手当は別条例できちんと審議されるようです。
参考:【真実を発信398】知事や議員の期末手当引き上げ議案、ブレずに反対!
http://www.fmizuno.jp/blog/3418

そりゃあ人間ですからお金がもらえたら嬉しいですけど、こうした事象に対して何も感じない古い議員にならないように、今後も議会・行政改革に臨んでいく決意を新たにしたいと思います。

増額分の期末手当はソーシャルボイスラボや政策調査など、皆さまに目に見える形の調査・情報公開に充てるつもりです。
(のどから手が出るほど貯金に回したいのは内緒だ)

また追ってご報告いたします。

それでは、また明日。

おときた 駿
◼︎おときた駿プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

twitter @otokita
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編集部より:この記事は都議会議員、おときた駿氏のブログ2014年12月16日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださったおときた氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。