フェラーリを買うのは「消費」ではなく「投資」になることもある --- 内藤 忍

アゴラ

私の投資手法の特徴は、金融資産だけではなく、実物資産を組み合わせて「ハイブリッド投資」を実践することです。実物資産として私が自分でも投資しているものには、不動産やワインがあります。

不動産に関しては、2月28日のこちらのイベントで、日本を含む先進国、新興国の最新不動産情報が集まる予定ですが、世界の不動産全体の価格のトレンドは上昇傾向です。また、ワイン投資については、「究極のワイン投資」を1月末に出版します。


それ以外の実物資産についても、興味深いグラフ(写真)があります。これは、少し前のイギリスの経済誌「The Economist」から引用したものですが、「Valuable Index」と呼ばれる、クラシックカー、切手、ワイン、バイオリンといった高級品を指数化したインデックスの推移を、株式のインデックスと比較しています。

2003年の初頭を100として指数化した、アメリカドルベースの数字になりますが、MSCIワールドインデックスと呼ばれる先進国の株価指数が247と2.5倍になっているのに対し、同誌が作った「Valuable Index」は311と3倍以上に上昇しています。中でもクラシックカーは、5倍以上の上昇と突出しています。生産台数の少ないビンテージ物のフェラーリやポルシェといった高級車は、その希少性から投資対象としての魅力も持っているのです。

ちなみに、このインデックスの構成比は
美術品(Fine Art) 36%
クラシックカー(Classic Cars)25%
コイン(Coins)17%
ワイン(Wine)10%
切手(Stamps)6%
ギター(Guitar)3%
バイオリン(Violin)3%
となっています。

長期的に見ると、実物資産への投資は株式投資と同様魅力のあることがわかります。

ただし、指数についてはある程度割り引いて考える必要もあります。このような実物資産には、株式や為替のような流動性のある取引方法はありません。価格もオークションのような公開されている場合と、それ以外の相対で取引されている場合では大きくかい離していることも珍しくありません。さらに、投資金額も大きくなる傾向があります。インデックスの推移も大まかな目安として見ておくべきなのです。また、取引コストが高くなりがちという難点もあります。

とは言え、値動きの異なる資産を組み合わせることは、資産全体の変動を抑え、ポートフォリオ全体をより強固にすることは確かです。不動産投資、ワイン投資と個人投資家の皆さまにご紹介してきましたが、今後は上記のような「Valuable」な資産もメールマガジンやセミナーなどで、取り上げてみたいと思っています。

と言っても、私自身は消費でも投資でも、フェラーリを買う予定は今のところはありませんので、念のため(笑)。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年1月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。