ロシアでは「暗殺」が政治の常套手段か

アゴラ編集部

本当かどうか、KGB出身なのでメディア操作などはお手の物かもしれませんが、ロシアのプーチン大統領の支持率は依然として高止まりのままのようです。しかし、ウクライナをめぐる手法などで欧米側と対立し、経済制裁を受け、原油安もあってロシア経済は混迷状態に陥っている。これに対してロシア市民にも不満が醸成されつつあるようです。


ロシアの野党指導者、ボリス・ネムツォフ氏が2月27日の夜半、モスクワの橋の上で射殺されました。プーチン政権を批判する急先鋒だった同氏は、反プーチンのデモを呼びかけ、3月1日に大規模なデモ行進が予定されていたそうです。

ロシアに関する国際政治は、東西冷戦時から魑魅魍魎が暗躍し、いったい何が本当なのかよくわからない。今回の暗殺劇もプーチン側による「粛清」という見立てが一般的でしょう。しかし、あまりにもあからさまで、欧米側が画策した揺さぶりかもしれません。また、ウクライナ女性と一緒だった、ということから親ロシア派のウクライナ人か国内の右派が跳ね返って動いた、とも考えられる。

八方ふさがりのプーチン大統領ですが、どうしてこうした状況に追い詰められてしまったのかに目を向ければ、中東のシリアやウクライナの帰趨などをめぐる欧米との綱引きが背景にあります。これに石油や天然ガスなど、EUへのエネルギー問題やロシアと中国の関係が複雑に絡んでいる。

また、民主化後のロシア経済に巣くっていたユダヤ系勢力をプーチン大統領が駆逐したことも根深い確執を生んでいるようです。いずれにせよ「暗殺とは、ロシアでもっともよく用られる免職方法である」とは、フランスのナポレオン期の外交官、シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴールの言葉のようですが、18世紀から変わらない、というわけです。

SMALL WARS JOURNAL
Putin, Clausewitz, and Ukraine


Jesus’ House? 1st-Century Structure May Be Where He Grew Up
livescience
紀元1世紀、イスラエルのナザレで「イエスキリストの家」か、と思われる遺跡が同定された、という記事です。1880年代に現地の修道女によって学術的に発見されたこの遺跡、長年、研究対象にされていましたが、今回、英国の研究者によって「イエスの家」の可能性がある、と判明。確実性が問題ですが、研究者は口を濁らせているらしい。状況証拠や7世紀の英国で書かれた史料などから同定したようです。この「家」は石灰岩で作られ、現地ではずっと大事に保存されてきました。いずれにせよ、イエスキリストが生きていた時代の様子がわかる貴重な遺跡であることは確かです。

中世の人々はこの遺跡が「イエスの家」だと信じて保存してきた。Photo copyright Ken Dark

RARE EARTH METAL BALLS FOUND BENEATH THE ATLANTIC OCEAN
POPULAR SCIENCE
大西洋の海底に、フットボール大のマンガンのかたまりが見つかったようです。写真を見ると海底をおおいつくすように、ほぼ同じ大きさ同じ形のボール状のものが沈んでいるのがわかる。マンガン(manganese)は、原子番号25の元素で元素記号はMnです。海底には、マンガンを含んだ軟マンガン鉱や菱マンガン鉱のかたまり、マンガン団塊(マンガンノジュール、Manganese nodule)があることはわかっていましたが、これほど大量のものが海底に敷きつめられるように発見されたのは珍しい。また、数百万年のスパンでゆっくりと成長するかたまりだそうで、乾電池に多く使われるマンガンはレアアースとして貴重な資源です。

大西洋の海底から発見された「マンガン団塊(Manganese nodule)」写真:Nils Brenke, CeNak

No Matter How Old His Son Got, They Could Always Bond Over Giant Robots
io9
巨大ロボットのイラストを描いているサイトを紹介している記事ですが、我々日本人にとってこうした存在は幼少の頃から身近なものでした。『鉄人28号』や『ガンダム』さらに『エヴェンゲリオン』などなど。同じセンスを持つ人間が日本のロボット・カルチャーの影響を受け、世界中に拡散しているようです。

io9の記事より。

Iraq violence kills at least 1,100 in February, UN says
STARS AND STRIPES
先月2月、イラクにおけるテロの死者は少なくとも1100人だった、という国連報告を紹介している記事です。バグダッドでは329人の民間人が殺されたらしい。もちろん、いわゆるイスラム国(IS)によるもので、ほとんどは爆弾テロのようです。


アゴラ編集部:石田 雅彦