日韓の2国間通貨スワップ協定が2月に終了した。この問題の背景について鈴置高史氏(日本経済新聞社編集委員)がNBオンラインで、真田幸光・愛知淑徳大学教授との対談形式で分析している(早読み 深読み朝鮮半島=3月5日付け)。
読んでいて「そこまでやるのか!」と驚いたのが、次のくだりだ。
――(司会=引用者注)今後、韓国が金融面で困った時に日本は助けないのですか?
真田:容易には助けないと思います。日本の金融界には「恩を仇で返された」との思いが強いからです。韓国人は、あるいは韓国メディアは「1997年の通貨危機は日本のために起きた」と主張します。でも、それは全くの誤りです。あの時は、欧米の金融機関が韓国から撤収する中、最後まで邦銀がドルを貸し続けたのです。韓国の歴史認識は完全に誤っています
「恩を仇で返す韓国」のデタラメ発言に、日本側の金融関係者は切れた。だから「もう助けない」のだ。
1997年の金融危機当時、真田氏は東京三菱銀行で韓国を担当していた。
鈴置:あの頃は、韓国人の中でも分かった人は「日本は最後まで面倒を見てくれた」と語っていました。……でも今やそんなことを語る人はいない。韓国では日本が悪者でなければならないからです。当時をよく知るはずの記者も「日本の貸しはがしが危機の引き金となった」と書きます
真田:米欧が貸しはがす中、我々は最後まで引かなかった。「日本が引き金になった」とは言いがかりも甚だしい。これだけは記録に留めていただきたい。邦銀の担当者は本店を説得し、欧米が逃げた後も最後まで韓国にドルをつないだのです
それなのに「我が国の通貨危機は日本が起こした」と世界で吹聴する韓国。麻生太郎財務相が2014年10月に「韓国から申し出があれば、スワップの延長を検討する」と国会で答弁したのも、恩を仇で返す国への不信感が背景にあったという。
ギリギリまで韓国を助ける気だった日本の金融界が最終的に手を引いたのは米国の「韓国救済はIMFを軸とした国際的なスキームの中でやる」という指示があったからだと真田氏は証言する。
韓国という国は助けようと助けまいと、ウソと誇張で固めて平気で日本への悪口雑言を世界にふりまく。今更ながら唖然としてしまう。
背景には「歴史文明的に劣る日本に助けられるのはガマンできない」というプライドと、誇りを守るためならウソもためらわない性格、「どれだけウソをついても本当に危なくなったら日本は助けてくれる」という根拠のない根拠のない思いこみと強い者にすがりつく甘え、事大主義があると思われる。
こうした国は敬して遠ざけ、できるだけ付き合わない。それがこのブログでも何回か紹介した福沢諭吉「脱亜論」の骨子であった。
その教えを忘れ、朝鮮半島に深く入り込んでしまったのが、日韓併合の失敗だった。それなのに、いまだに日韓議員連盟の議員を中心に韓国に深入りする議員が後を絶たない。
先ごろも自民党の二階俊博・総務会長が観光業界や地方自治体の関係者ら約1400人とともに韓国入りし、朴槿恵大統領とも会談、朴大統領が「慰安婦問題」の解決を求めると、二階氏は「まったくその通りだ」と同意している。
自民党の総務会長である二階氏が安倍首相となんらかの話し合いをせずに、不用意な発言をするはずがない。朴大統領の顔を立て、韓国内での立場を良くする「ガス抜き」に出ることで、日韓関係が悪化しないようにする。そういうハラだったのかも知れない。
韓国が反日感情を抱えたまま北朝鮮と一体化したり、中国の勢力圏に完全に飲み込まれたりするのは、日本の安全保障からいって得策ではない、という判断もあろう。
実際、今の韓国はリッパート駐韓米国大使が親北朝鮮派の韓国人に刃物で襲われたり、シャーマン米国務次官の「韓国の反日的言動」をたしなめたような発言に猛反発してデモが起こったりするなど、危うい政治情勢下にある。
韓国人は個人的には親しみやすく、好感の持てる人が少なくない。だから、豊富な交流もある。だが、民族としての「集団意識」は日本に敵対的なうえ、事大主義の国柄も手伝って強い国につこうとする性格がある。
やはり、福沢翁の「脱亜論」を基本に、「淡き交わり」を保つのが賢明だと思われる。
編集部より:この記事は井本省吾氏のブログ「鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌」2015年3月6日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった井本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌をご覧ください。