遅くとも2年では達成できるのではないか、またしなければいけないというふうに思っています。[…]やはり最高の責任のとり方は、辞職するということだというふうに認識はしております。
ここで岩田さんは「遅くとも2年」と期限を切っているので、今年の3月5日、あるいは彼が副総裁に就任した3月20日までに2%が達成できないと辞めるということですね。これはよい子のみなさんが「今度のテストで80点とれなかったら部活をやめる」というようなもので、約束がまもれなかったら辞めるのが当たり前です。
まして国会で、国民の代表のみなさんの前で約束したんだから、約束を破ると日銀が信用してもらえませんが、物価はどうなったんでしょうか?
消費者物価上昇率(増税分を除く・年率%)出所:総務省
ご覧のように2%どころか、1月の消費者物価指数は0.2%(生鮮食品を除く)しか上がっていません。この数字はピークの1.4%からどんどん下がっているので、このままでは岩田さんの約束した3月にはマイナスになるでしょう。つまり岩田さんが悪口をいっていた白川総裁のときと同じデフレにもどるわけです。
岩田さんは「これは原油価格という予想外の出来事によるもので、金融政策の失敗ではない」と言い訳していますが、原油価格の影響を除いた消費者物価指数(食品・エネルギーを除く)でも、上昇率はピークで0.8%にしかなっていません。つまり原油価格が下がらなくても、2%のインフレは起こらなかったのです。
岩田理論によれば、原油価格がどうなろうとマネタリーベース(お金の量)を増やせば物価は上がるのだから、お金の量を増やせばいいはずです。ところが去年10月末に日銀が追加緩和でマネタリーベースを増やしたのに、物価はさらに下がりました。要するに、原油価格は物価にきくがマネタリーベースはきかないのです。岩田さんの「リフレ理論」は嘘だったということです。
まちがいはだれにでもありますが、まちがえたら素直にみとめましょう。嘘や言い訳でいいのがれすると、信用がなくなります。国会で約束して守らないような人は、誰にも相手にしてもらえません。よい子のみなさんは、岩田さんのような見苦しいいいわけをしないで、約束は守りましょうね。