花見の意外なルーツとは

アゴラ編集部

昨日はエイプリルフールでしたが、あまりパッとした嘘はなかったようです。首都圏はすでに桜も満開。もう少しすると二十四節気の「清明」です。

清明とは、春分のあとの15日目で陰暦(旧暦)3月の節、太陽暦(新暦)では4月5日ごろにあたり、今年2015年も5日になります。清明のころは、中国や中国文化の影響を強く受けた独特の風俗が各地で行われます。たとえば、中国では「掃墓節」ともよばれ、墓参りをしたり祖先を祭る行事が各地で行われ、韓国などでも清明節に入った翌日を「寒食(ハンシク、かんしょく)」とよんで墓祭を行ったりします。


元々この「寒食」は中国の習慣ですが、食事するときに火を使いません。これは古代中国の伝説的な偉人、介子推(かいしすい)の物語に由来します。介子推は、春秋時代、晉の君主、文公(重耳、ちょうじ、在位紀元前636~628)の臣下の一人です。

長い放浪生活をおくった文公が、帰国して王についたとき、家臣への褒賞にかたよりがあったのを批判した介子推は山野にこもってしまいます。自分の行いを反省した文公が、いくら彼を探しても見つかりませんでした。この故事を中国の人たちが清明の節と合体させ、苦労した介子推をしのび、火を使わずに食事をするようになったのです。

また、中国では清明節のとき、家族で郊外に散策や野遊びに行く習慣が古くからあります。これを「踏青(とうせい、中国語でターチン)」といいます。この習慣は、五節供の一つで陰暦(旧暦)3月3日を「上巳(じょうみ)」、つまり「上旬(はじめ)の巳の日」とし、中国ではこの日に不浄を祓う習慣があり「踏青」といっていたところからきています。

それが日本で発展し、また禊ぎの思想と合体して「曲水の宴」になり、曲水の宴は「流し雛」として残りました。秋の節供には「登高(とうこう)」といって高い場所へ登りますが、これは春の「踏青」と対称的な習俗。また、沖縄地方で清明の日を「シーミー」として墓参りをし、墓前で家族が会食する習慣があります。

日本人の大好きな花見も一種の野遊び、「踏青」と言われています。今週末あたりから寒の戻りと言われ、季節の変わり目で体調を崩す人も多いようです。遅くまで夜桜見物したり酒を飲みすぎたりして風邪を引いたりしないように注意しましょう。

キャリコネ
「賃上げの花が舞い散る…」 安倍首相の俳句にツッコミ殺到「散っちゃダメだろ!」


Nurses say night-time hospital transfers are an ‘abuse’ of elderly
BBC NEWS
救急病院の「たらい回し」は日本だけのことではなさそうで、この記事によれば英国の北アイルランドの首府ベルファストで高齢者が深夜に医院を転送されているようです。これは医療機関内部からの主に看護師による告発から明らかになったことです。ベッドの数が少ないこともありますが、深夜の医療システムが混乱していることも大きいらしい。なんでも、夜間に高齢者が自宅で転んだりして骨折するようなケースで起きているんだそうです。

Egyptians Brewed Beer in Tel Aviv 5,000 Years Ago
livescience
人類にとって酒の歴史は有史以前にさかのぼります。現在、わかっている最古の酒は、紀元前7000年ごろに中国で造られていた醸造酒だそうですが、いわゆるサル酒というように自然発酵でアルコールが造られることは多い。いつごろから人類が、こうした自然発酵を人工的に再現するようになったのか興味深い話です。こうした酒では、やはりワインの歴史が古く、どぶろくなどの発酵飲料が作られやすかったとされています。また、ビールの歴史も古く紀元前3000年にはすでにバビロニアなどでビールが造られていたらしい。この記事によれば、紀元前5000年にエジプト人がテルアビブでビールを造っていた証拠が出てきたようです。

エジプト人がビール造りに使っていた陶器の破片が早期青銅器時代の遺跡から発見された。Credit: Yoli Shwartz, courtesy of the Israel Antiquities Authority

Toyota’s three-wheeled i-ROAD is the perfect solution for crowded city driving
inhabitat
トヨタの三輪電気自動車「i-ROAD」がいよいよ発売間近か、と話題です。すでに昨年2014年10月にはフランスのグルノーブルで実証実験が行われ、2月には米国カリフォルニアで公道を走る試乗会が開かれました。また、愛知県豊田市では現在、実車を使ったモニター調査が行われています。近未来のモビリティは各社いろんな試作車が出ていますが、トヨタは一歩先んじるんでしょうか。

2013年の東京モーターショーにおけるi-ROAD。日本では道交法で1人乗り、欧米ではタンデムの2人乗り仕様になりそう。

Cigarettes end life early for two out of every three smokers: New study published
Natural News
喫煙者と非喫煙者の死亡率の違いが、従来、考えられていたよりずっと大きい、という記事です。一日10本の喫煙でさえ、非喫煙者の2倍も死亡率が高いらしい。これが20本になると4から5倍も高くなります。このWHOのリポートによれば、世界的に喫煙は現象しつつあるものの、まだまだ予断を許さない状況のようです。


アゴラ編集部:石田 雅彦