イエスの血液型は「B型」だ --- 長谷川 良

アゴラ

2000年前のイエス・キリストの遺骸を包んでいた布といわれる「聖骸布」が今月19日から6月24日までイタリア北部のトリノ市で一般公開される。5年ぶりの聖骸布公開だ。多くの人々が既に予約しているという。



▲トリノの聖骸布のX線写真

同布は西暦2000年の大聖年に初めて公開された後、10年5月に再び一般公開された。当時のローマ法王べネディクト16世はトリノに足を運び、観賞している。展示会には数百万人が訪れた。イエス・キリストが磔にされた後、その遺体を包んだ布といわれるだけに、多くの人々の関心を呼んでいるわけだ。

バチカンの情報によれば、「聖骸布は1353年、フランスのリレで発見され、1453年にサヴォイ家の手に渡り、トリノに移動した後、1983年にサヴォイ家からローマ法王に所有権が引き渡された」という。現在はトリノ大司教の管理下だ。

通称「トリノの聖骸布」と呼ばれる布は縦4・35m、横1・1mのリンネルだ。その布の真偽についてはこれまでさまざな情報があり、多種多様の科学的調査が行われてきた。現時点では、「その布が十字架で亡くなったイエスの遺体を包んだもの」と100%断言はできない。1520年代、「画家の偽造品」という調査結果がクレメンス7世(在位1523~34年)に報告された、という情報もある。

1988年に実施された放射性炭素年代測定では、「トリノの聖骸布」の製造時期は1260年から1390年の間という結果が出た。すなわち、イエスの遺体を包んだ布ではなく、中世時代の布というわけだ。その一方、聖骸布に映る人物を詳細に調査した学者は「手、首、足には貫通した跡があった」と説明し、「遺体は180cmの男性だった」と指摘、「トリノの聖骸布は本物」と主張している、といった具合だ。DNA鑑定やコンピューター断層撮影装置(CT)を使用して徹底的に調査する必要があるだろう。

ところで、同布には血痕が残っていた。その血痕を調査した科学者は「その血液型はB型だった」と報告している。その布が実際、イエスの遺体を包んだものであったすれば、イエスの血液型はB型だったということになる。

イエスを神と信じる信者にとってはその血液型など意味がないが、イエスは神の子だが、通常の人間と信じる多くの信者にとってその救い主(メシア)の血液型がB型だという事実は非常に好奇心を呼び起こす。

少し脱線するが、血液型による性格分析によれば、B型はマイペースで人の意向や規則に捉われないリベラルな考えの持ち主である一方、お人好しで騙されやすいという。そういえば、イエスはユダヤ教の安息日を破るなど、当時の戒律を刷新していった一方、弟子の一人、イスカリオテのユダに裏切られた。典型的なB型の言動だったということにもなる。

いずれにしても、血液型に基づきイエスの言動を分析すれば、興味深い論文ができるかもしれない。もちろん、その前に、布がイエスの遺体を包んだものだったと科学的に実証されなければならない。

なお、著名なB型のスポーツ選手は長嶋茂雄氏、イチローだ。政治家では安倍晋三首相もB型で、イエスと同じ血液型だ。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2015年4月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。