日本株はもう割高なのか、まだ割安なのか? --- 内藤 忍


イギリスの経済誌「The Economist」に日本株に関する記事が掲載されています。日本の株価は、今月日経平均で2万円台を回復し、今世紀最高値を更新しました。世界の株式市場の中でもかなりの高パフォーマンスが続いています。


日本の株価は、2015年に入ってから、ドルベースで計算すると、アメリカやユーロ圏に比べ大きく上昇しています。今年に入ってからの、主な国の株価指数の変化率を見ると次のようになっています。

<2014年末から2015年4月22日までの株価騰落率(カッコは現地通貨ベース)>
日本(日経平均)  +15.4(+15.4)
アメリカ(NYダウ) +1.2(+1.2)
イギリス(FTSE100)+3.2(+7.0)
ユーロエリア(FTSE Euro100)+5.4(+18.9)
香港(ハンセン) +18.4(+18.3)
シンガポール(STI) +2.3(+3.9)

日本の株価の上昇スピードに警戒する市場参加者も出てきていますが、日経平均ではなく、TOPIXで見ると少し違った情景が見えてきます。

ちなみに、日経平均は日本経済新聞が選んだ225銘柄の単純平均で、大型株に偏っています。TOPIXは東京証券取引所第一部に上場している株式の時価総額を指数化したもので、より広い銘柄が含まれています。

グラフは記事に掲載されていた、企業収益とTOPIX(東証株価指数)の推移です。

TOPIXでみると、リーマンショック前の前回の高値(2007年半ば)に比べ、まだ12%下のレベルであることがわかります。一方で、企業収益は13%上回っています。TOPIXで見ると株価に先行して、企業収益が改善しているように見えます。TOPIXでは今世紀最高値には、まだ到達していないということです。

1つの市場に複数のインデックスが存在する場合、どのインデックスを使うのかによって評価が変わってきます。大型株が先導して上昇をしてきた日本の株式市場ですが、これからは相対的に出遅れている日経平均の含まれていないような銘柄のパフォーマンスが良くなってくる可能性があると言えます。

日本株のインデックス運用をする場合に、日経平均を使うのかTOPIXを使うのか。それとももっと別の指数を使うのか。インデックスの選択が悩ましい問題になってきました。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年4月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。