きのうのニュースザップ(28:45~)でモーリー・ロバートソンと話したが、古賀茂明氏の「安倍政権が私を脅迫している」という被害妄想をNYTが取り上げたのが発端になり、欧米メディアの日本についてのイメージが「ファシストの安倍首相が言論弾圧に乗り出した」というステレオタイプになって世界に拡散している。
もとはといえば、3月28日に古賀氏が報ステのコメンテーターを降ろされるのを逆恨みして、本番中に自分でつくったプラカードを出すなどの常軌を逸した言動に出たのが発端だ。
テレ朝のスタッフによれば「打ち合わせにないことを延々としゃべって、台本の裏側にこっそりコピーしたスローガンを出したのはびっくりした。生放送であんなことやるのはルール違反だということで、プロデューサーも抗議した」という当たり前のことだ。
これに対して菅官房長官も「政府がテレ朝を脅迫したという事実はない」と記者会見で反論した。
全く事実無根であって、言論の自由、表現の自由は、これは極めて大事だという風に思っていますけれども、事実に全く反するコメントをですね、まさに公共の電波を使った行動として、極めて不適切だという風に思っています。
放送法という法律がありますので、まず、テレビ局がどのような対応をされるかということを、しばらく見守っていきたい、こういう風に思います。
この「放送法という法律があります」というのは第4条の「報道は事実をまげないですること」という規定だと思われるが、古賀氏はこれを「免許を取り消すという脅迫だ」とNYTに書いている。
彼は放送法を知らないようだが、放送法にそんな規定はない。無線局の免許取り消しの規定は電波法にあるが、放送の内容を理由にして免許を取り消すことはできない。政府がテレ朝の無線局免許を取り消したりしたら、それこそ大事件になる。すべては古賀氏の脳内だけに存在する妄想にすぎない。
その後、自民党の川崎二郎氏などがテレ朝とNHKを呼びつけたのは「圧力をかけた」といわれてもしょうがないが、あれは党内でも批判が強く、テレ朝が謝罪して騒ぎは収束した。古賀氏がMXでの発言が問題になったというのは、嘘つきの上杉隆の話だ。
要するに、これは頭のおかしいコメンテーターが番組を降ろされたという笑い話にすぎない。ところがNYTはこれを言論弾圧とするキャンペーンを張り、それが伝言ゲームになって世界に拡散している。
ファクラー東京支局長は「大手メディアは信用できないので日刊ゲンダイと週刊金曜日を読んでいる」と公言しているが、夕刊紙レベルの話が世界に拡散するのは困ったものだ。政府が反論すると、また「弾圧だ」といわれるので、BPOなど中立な機関が事実関係を調査すべきだ。