泥沼の辺野古問題。法律事項扱いで抜け出すしかない --- 松田 公太

名護市辺野古の久辺3区(辺野古、久志、豊原)に対し、新基地に反対する市の頭越しに振興予算を直接交付する制度が創設されるという報道がなされています。この3区は条件付きで新基地建設に賛成していますが、受け入れる代わりにインフラ整備や住民への補償、具体的には防災備蓄倉庫や地区会館の修繕、芝刈り機の購入、あずまやの整備などを要望しているとのことです。

※泥沼と化す辺野古基地問題

原発もそうですが、この手のやり方は極めてアンフェアであり、住民間の不公平を生みだします。

基地や原発の間近で高リスクであれば手厚い補助を貰えるが、少し離れて中リスクになると何ももらえなくなる。これでは、危険な施設の建設についてごく一部からしか納得を得られません。

国論を二分するような重大な問題なのに、そして全ての国民が関与すべきものであるにも関わらず、金の力でおさえた少数の人々の賛同を大義名分とする。このようなやり方は民主的とも言えません。

さらに、今回の政府の考えは、地方創生と逆行するものでもあります。名護市では、2010年に新基地反対を公約に掲げて稲嶺市長が当選して以来、米軍再編交付金に頼らない市政への転換を進めています。

そんな中、市の地区を細分化した行政区(町内会のようなもの)の一部に対して国が利益誘導のために直にお金を渡すというやり方は、地方の努力を踏みにじるものです。これでは、地域の自主性など育ちませんし、同じような問題が今後べつの地域で起こった場合はどう対応するのでしょうか。
(労働者ストライキ中に使用者が一部の従業員にお金を握らせスト破りをさせるような行為に似ています。そのようなことをすれば、名護市民の間で軋轢が生まれ、住民同士のトラブルに発展していくことも想像に難くありません。その場合、問題が更に深刻化・長期化する可能性もあります)

そもそも3区の同意を得られたとしても、問題の根本的な解決にはつながらないのです。

やはり、在日米軍基地は沖縄だけの基地負担の問題ではなく、日本の外交防衛に関する国政の重要問題であるという認識をもち、国会で法律事項として扱うことが不可欠です。そして、その際には名護市に大きな負担を強いることになる以上、名護市の住民投票が必要です。

そこで決着がついたとなれば、堂々と基地移転を進めることができるのです。

昨日、石井国交大臣は、翁長知事が辺野古沿岸部の埋立承認を取消したことに対して、処分の一時執行停止を決めました。ですが、その根拠とされている行政不服審査法は、「簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図る」ためのものであり、行政機関どうしの紛争処理は対象外です(必ず国が勝つに決まっていますので、審判の正当性が認められません)。

今後、知事に代わって国が埋立てを承認する「代執行」を行うとも言われており、このままいけば法廷闘争となってしまいます。しかし、国への不信や禍根を残すそのようなことは避け、国会での話し合いによって解決を図るべきです。

我々日本を元気にする会では、そのための法案を準備しております。速やかに提出したいと思いますので、これも含めて、臨時国会の開催を要求してまいります。



編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2015年10月28日の記事「泥沼状態の辺野古問題から抜け出すためには「法律事項」とするしかありません」を転載させていただきました(画像はアゴラ編集部が担当)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。