海外には、ナゼ日本には無い「投資機会」が存在? --- 内藤 忍


資産設計実践会(会員制)のメンバーとシンガポール、香港と金融サービスの専門家とのミーティングを持ちました。そこで紹介された投資機会の中には、日本では出合うことがないユニークなものがが存在します。

シンガポールに拠点を構える日本人が立ち上げたヘッジファンド。中心部のオーチャード通りにオフィスを構え、外資系金融機関を渡り歩いてきた優秀な社員が活き活きと働いています。ここで運用しているファンドは、日本株のロングショート(売り買いを組み合わせる投資手法)とベトナム株に投資するもの。アセットアロケーションをダイナミックに変更して、年初からのリターンは24%となっています。チャイナショックの時には1か月で2ケタ以上下落したこともある変動の激しい運用ですが、会社は設立から、すでに数年の実績を持って、個人投資家の資金を集めています。最低投資単位は5000万円から。

香港では、ペニンシュラホテルにオフィスを構えるプライベートバンクを訪問し、先物を使った運用会社の投資戦略を聞きました。こちらも最上階のオフィスで、眺めは最高(写真)。日本人が立ち上げた、今までにない新しい金融サービスです。

こちらのオフィスで講演していただいた会社のファンドは、過去のデータを分析して、そこからトレンドを見つけだし、様々な先物市場に分散投資する手法です。株、為替、コモディティ、金利、債券などに分散することによってリターンは安定しています。運用資産は数兆円規模まで膨らんでおり、10年以上の実績があって、リターンは平均で2ケタになっていると聞きました。直接購入する場合の最低投資単位は1億円程度ということです。

どちらも、インデックス運用よりも高いリターンを実現しているヘッジファンドの運用です。過去の運用成果が将来を保証するかはわかりません。しかし、明らかなことは日本国内にはこのような運用を提供できる金融サービスは存在しないということです。日本国内での販売には、金融庁の許可が必要です。その手続きを経ていない海外のこの手のファンドは、国内で勧誘することは違法でありできないのです。

もちろん、それぞれのファンドの設定国では必要な手続きを行っていますから、金融詐欺のような違法な商品ではありません。過去の実績も、外部のチェック機関によって確認を受けていますから、誇大広告でもありません。

国内においては「アクティブ運用は平均するとインデックス運用に勝てない」というのが、業界のコンセンサスです。中には例外もありますが、その例外を見つけ出す労力とコストを考えれば最初からインデックス運用でというのが合理的です。

シンガポールや香港で出会った、高いリターンを実現するアクティブ運用のヘッジファンド。日本ではなかなか見つからないものが、海外ではいとも簡単に出会ってしまうのは、単なる偶然でしょうか。それとも、日本の金融市場に構造的な問題があるからでしょうか。


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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年11月26日の記事を転載させていただきました(アゴラ編集部で改題)。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。