トランプが討論会ボイコットを決断したワケ --- 安田 佐和子


共和党大統領候補で支持率トップをひた走るトランプ候補、2月1日の党員集会が開催されるアイオワ州を舞台にした1月28日開催の討論会をボイコットすると発表しました。

そもそも、事の発端はフォックス・ニュースのメギン・ケリー氏を討論会から締め出すべきとの見解を表明したトランプ候補自身が火種を蒔いたものでした。しかも、ツイッターを通じフォロワーに出席すべきか否かを問うたのですよ。ツイッターを受けて、フォックス・ニュースは以下の声明をリリースしました。

「We learned from a secret back channel that the Ayatollah and Putin both intend to treat Donald Trump unfairly when they meet with him if he becomes president — a nefarious source tells us that Trump has his own secret plan to replace the Cabinet with his Twitter followers to see if he should even go to those meetings.」

トランプ候補が大統領に当選したとして、プーチンやイランの首脳の嫌がらせも耐えられず、密かに閣僚をツイッターで集め直し相談する。シャレを返したつもりがトランプ候補からしっぺ返しを食らったわけです。8月の討論会でフォックスは2400万人を記録しディベートとしては過去最高だったため、トランプ候補は自分がいないと「数百万人に急減する」と豪語していました。さて、結果はどう出ますでしょうか?個人的には、フォックスがトランプ候補の子供っぽさと無責任ぶりを露呈させたという意味では、勝者のように感じてしまいます。あ、でも保守派のアメリカ人なら「自分の信念を曲げない強いリーダーだ!」と評価するリスクも残っちゃいますね。

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年1月27日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。